桜開花や道内客多く、道南GW一安心/天候不順の影響も
update 2011/5/10 13:01
東日本大震災の影響から旅行や行楽の“自粛ムード”が懸念された今年の大型連休(4月29日〜5月8日)だったが、道南はサクラが開花したことや、本州方面への旅行を見合わせ函館などを訪れた道内観光客らでにぎわった。しかし、天候不順で客足は今一つ伸び悩んだ。関係者は震災の影響による減少幅は予想より少なかったとし、今後の回復を期待している。
期間中の天候は雨模様が多く、函館で一日中晴れたのは5月5日のみ。サクラは同2日に開花、満開は同6日となった。五稜郭公園管理事務所によると、期間中約8万4000人の花見客が訪れたが、昨年の約12万人に比べ約3割減となった。「天気の影響は大きかったが、周りに迷惑の掛かるような人も少なく、全体的にまだ自粛ムードが残っているのかも」と同事務所。
函館中心部の観光スポットとして知られる五稜郭タワーの来場者数は5万7504人で、昨年の5万6194人から微増した。また、市芸術ホールの駐車場の利用台数は、前年を約1500台上回る1万4005台。特に3〜5日は昨年以上の利用で、同ホール担当者は「札幌や室蘭を中心に道内客で混み合った。サクラが早く開花したからでは」としている。
函館の玄関口である函館朝市は道央、道東の観光客を中心に、3〜5日が人出のピークだったという。朝市駐車場を管理している函館朝市協同組合連合会によると、例年に比べると全体的な来場者は少ない印象だが、「4日は例年以上に駐車場の利用があった。道内の観光客が本州に流れなかったためでは」と分析する。
自然公園財団大沼支部によると、同支部が管理・運営する大沼公園(七飯町)の駐車場の利用は期間中で約2500台。「平年の約65%。本州からの車はほとんど見られず、道内は函館より、ほかの地域が多かった」と朝市同様の動きとみている。バスの利用は約110台で平年とほぼ同じ。「震災発生後は1日1、2台という日もあっただけに、回復はしている。外国人観光客も見られるようになった」と手応えを感じている。
昨年7月にオープンし、初めての大型連休を迎えた五稜郭内の箱館奉行所の入館者は約3万人。「個人客が非常に多かった。自粛ムードのため事前予約のツアーや団体は減ったが、気軽に旅のできるグループや個人客が、サクラの開花に引き寄せられ多く動いたのでは」と話している。
このほか、15日まで「松前さくらまつり」を開催中の松前公園(松前町)には前年比約6400人増の約9万人が訪れた。同実行委は「例年より2日早くサクラが開花し、震災の自粛ムードも収まったのが要因」とする。3〜15日に「もりまち桜まつり」を開く森町では、昨年より4日早く開花するも、オニウシ、青葉ケ丘両公園には前年比20%減の約7万6700人にとどまった。同実行委は「天候不良だったり、イベントを一部取りやめた影響が出たかもしれない」と話している。
期間中の一般道(3キロ以上)、高速道(1キロ以上)の渋滞は国道5号を中心に3〜5日に集中した。道警函館方面本部交通課によると、「休みが分散傾向のためか、連休前半や後半はさほど混雑はなく、渋滞もほぼ例年並み」とする。同課によると、札幌方面に向かう国道5号で5日、七飯町西大沼―七飯町峠下間で午前11時ごろから約6時間半にわたり8キロの渋滞があった。高速道では3日、函館方面に向かう落部インターチェンジ出口からの4キロだけだった。
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