GW初日 行楽地に笑顔咲く

update 2011/4/30 10:51


 ゴールデンウイーク(GW)初日の29日、函館市内の行楽地は観光客や市民らでにぎわった。東日本大震災の影響で自粛ムードが漂う中、五稜郭公園は客足が好調で、早くもサクラの木の下で花見を楽しむグループも。JR函館駅や函館空港では、期間中を古里で過ごす帰省者らが、親せきや家族との久々の再会を喜ぶ光景が見られた。

 この日は終日どんよりとした天候となったが、気温は高めで、4月中旬並みの暖かさに。サクラのつぼみが膨らみ始めた五稜郭公園では、道内を中心に観光客の姿が戻った。周辺の観光駐車場は満車となり、五稜郭タワーや箱館奉行所、園内のボートなどがにぎわうなど、例年と同様の連休風景となった。旭川から2泊3日の予定で恋人と訪れた男性公務員(25)は「震災はあったけれど10年ぶりの函館を堪能したい。海産物をたくさん食べます」と話した。

 サクラのスポットでも多くの来場者がジンギスカンを囲み、ビールなどで「乾杯」する声を響かせた。北大水産学部交響楽団のメンバーで、仲間と訪れた丸山奏子さん(20)は「桜は咲いてなかったけどワイワイと楽しんでいる」と笑顔だった。

 五稜郭タワーは昨年の初日より25%多い約3500人が来場。「これまでは大震災の影響を受けていたが、この連休をきっかけに好転すれば」と期待を込める。

 金森赤レンガ倉庫群などがある西部地区のベイエリアでは、家族連れなどが記念写真を撮るなどの光景が見られ、栃木県から夫婦で旅行にやってきた吉田武人さん(56)と幸枝さん(53)は「思い切って来てよかった。天気も良くて最高」と満喫。また、函館山ロープウエイの利用者は、昨年の連休初日の約2倍に当たる6155人に上った。「昨年より連休が取りやすくなったせいもあるのでは」としている。

 この日は震災の影響で一部不通となっていた東北新幹線が全線復旧し、JR函館駅では本州方面からの乗客が目立った。東京から新幹線を利用し道内観光に訪れた神奈川県川崎市の会社員相川真一さん(26)は「首都圏は節電で暗く、気持ちも参っていたので、函館では夜景の輝きを楽しみたい」と話した。

 函館空港の到着ロビーでは東京や関西方面からの便でにぎわい、函館市内の友人を訪れた千葉県市川市の間瀬充規さん(38)は「函館は初めて。友人に市内の観光地を案内してもらう予定です」と笑顔を見せていた。

提供 - 函館新聞社


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