函館市長選告示 有権者の声「人口減対策、経済の活性化を」

update 2011/4/18 12:30


 統一地方選の後半戦が始まった17日、函館市長選には現職の西尾正範氏と前副市長で新人の工藤寿樹氏=届け出順=が立候補し、多くの市民が両候補の訴えを聞いた。多くの市民からは、先行きの見えない経済、雇用情勢や人口減による地域の衰退など市が抱える課題の解決を望む声が聞かれた。

 函館市の人口は旧4町村と合併した2004年12月には約30万人いたが、減少の一途をたどり、10年の国勢調査の速報で28万人を割った。人口減による地域の衰退は深刻さを増し、特に過疎化が進む旧4町村は切実な問題。椴法華地区の新八幡町、無職、瀧滋子さん(66)は「除雪など行政サービスが合併前に比べ年々落ちている。同じ自治体ならこちらにも必ず目を向けた施策を」と訴える。

 不動産会社経営、國本直弘さん(36)も人口減に危機感を抱く1人。「福祉の充実化や学校誘致に力を入れる人に投票したい」と語り、「福祉現場を充実させることによって雇用拡大や定住促進にもつながるのでは」と提起する。

 東日本大震災の影響を受けた観光産業の浮揚など新たな問題も加わり、新市長が背負う課題は山積みだが、悪化が進む市内の経済情勢の打開を望む声は根強い。

 本通の会社員、須藤道生さん(37)は「経済の悪さに歯止めをかける具体策を訴える人を選びたい」。柏木町の団体職員、福島孝子さん(36)も「市民の活動が停滞し、市の文化も衰退している悪循環がある。このままでは市民の中で格差が生じる。雇用、基幹産業の底力が上がるよう力を入れてほしい」と願う。

 両候補が市役所出身同士で、市長、前副市長の争いとあって「違いが見えない」と指摘する声も少なくない。若松町で生鮮食品販売業を営む國分晋吾さん(28)もその1人で「投票日ぎりぎりまで候補者の声を聞き、しっかり見極めて投票したい」と話す。美原の主婦、寺島真寿美さん(51)は「震災があって両候補の政策を見比べる余裕はなかった」とし「子供の健全育成に力を入れてくれるのかどうかで決めたい」、市内の生涯学習コーディネーターの武部祐子さん(54)は「市民活動を応援する人、地域活動に力を入れているかを判断して投票したい」と話した。

提供 - 函館新聞社


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