志賀谷氏 初陣飾る 道議選
update 2011/4/11 12:39
統一地方選の前半戦、道知事選と道議選は10日、投票が行われ、即日開票の結果、函館市区(定数6)は、公明党新人の志賀谷隆氏が初陣を飾った。自民党は現職の川尻秀之氏がトップ当選、現職の佐々木俊雄氏も2期目の当選を果たした。民主党は斉藤博氏、平出陽子氏、高橋亨氏がそろって当選を決め、逆風の中で3議席を維持した。北斗市区(定数1)は民主党現職の長尾信秀氏が三つどもえの戦いを制した。渡島総合振興局区(定数2)は自民党現職、冨原亮氏と民主党新人の笹田浩氏が当選。桧山振興局区(定数1)は民主党現職の福原賢孝氏が3選を決めた。
09年の政権交代後初めての統一選で、東日本大震災を受けて、防災対策や原子力発電所のあり方、深刻度を増す景気・雇用問題への対応などが争点となった。道南では渡島総合振興局区の定数が3から2に減った中、全10議席のうち民主党が過半数の6議席を確保。知事選に出馬した木村俊昭氏が大差で敗れた中で、一定の結果を残した。
定数6に9人が立候補した函館市区は、前回に続き道内有数の激戦区となった。大震災による自粛ムードの中、現職が実績を生かした選挙戦を展開、組織力の弱い新人陣営には厳しい結果となった。
川尻氏は現職の強みを発揮。建設業界、水産業界のほかサービス業界など幅広い団体から推薦を得て、終始安定した戦いを進めた。
佐々木氏は川尻氏と競合する建設・水産業界ですみ分けを図った。大震災を受けて社会資本整備の充実を訴え、前回から大幅に票を伸ばした。
志賀谷氏は参院に転じた横山信一氏の後継として出馬。函館市議を5期務めた実績を強調するとともに、公明・学会票を手堅くまとめた。
斉藤氏はNTT労組を母体とした戦い。後援会の体制構築が出遅れたが、労組関係のOBなども支持拡大に奔走し、4選を決めた。
平出氏は連日、防災服姿で災害対策や命を守るまちづくりを強調。支持母体の北教組への逆風の中、主婦層や高齢者層をつかんだ。
高橋氏は最大労組の市職労をバックに臨み、組織票をしっかりと固めた。さらに漁協、農協など一次産業関係者にも支持を広げた。
古岡友弥氏は候補者中最年少の34歳の若さをアピールし、大間原発の建設反対や子育ての充実を一貫して訴えたが、次点に泣いた。
大日向豊吉氏は新幹線の現函館駅乗り入れに政策を絞って臨んだが、出馬表明の出遅れを取り戻せず、3度目の正直はならなかった。
三遊亭洋楽氏は金をかけないユニークな選挙を展開。無党派層をターゲットに既成政党の批判票を集める戦略だったが、広がりを欠いた。
北斗市区では長尾氏が現職の知名度を生かして当選。民主党への逆風の中、政党色を出さずに人柄を前面に出した戦略が実った。
新関一夫氏は自民党公認と若さをPRし、新幹線時代を見据えた振興策を訴えた。眠っている保守票の掘り起こしを狙ったが及ばなかった。
元職の河野光彦氏は一次産業振興を主に訴えたが、旧渡島支庁区時代に固めた旧上磯地区の支持者は離れ、伸び悩んだ。
渡島総合振興局区は冨原氏がトップ当選。保守唯一の候補、若手のホープとして大票田・七飯町を中心にまんべんなく支持を集めた。
笹田氏は引退する岡田俊之氏の後継として出馬。八雲・長万部の北部2町を地盤に、出身母体の自治労がフル回転し岡田氏の議席を守った。
川村主税氏は地盤の渡島西部4町のほか、七飯町や、候補が立たなかった森町に精力的に足を運んだが、地盤地域の人口の少なさが響いた。
桧山振興局区を制した福原氏は、支庁再編など高橋道政への対立姿勢を前面に出し、地元の上ノ国町や江差町で一部保守票も取り込んだ。
佐々木俊司氏は出馬表明が3月上旬と出遅れた。支庁制度改革の見直しを打ち出すとともに保守の大同団結を図ったが、準備不足に泣いた。
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