道議選、自粛ムードで静かな日曜

update 2011/4/4 21:01


 道議選告示後、最初で最後の“選挙サンデー”となった3日、候補者はそれぞれの選挙区で街頭に繰り出して名前や政策を訴えた。ただ、東日本大震災の影響で、マイクを使った遊説や選挙カーでの連呼は控えめ。舌戦が熱を帯びる毎度の光景が一変した、静かな選挙戦が続いている。有権者側の関心も高いとは言えず、投票率の低下を懸念する声も出ている。

 今回の選挙をめぐっては、民主、自民、公明の陣営が告示前に選挙活動の一部自粛を決めた。拡声器を使った本隊車の運行を午前9時〜午後6時までに縮めたほか、身を乗り出しての手振りの抑制、事務所の看板ライトアップを午後8時までにとどめるなど、6項目で自主規制を申し合わせている。

 3日は各陣営とも精力的に選挙区を回った。9人が出馬した函館市区では商店街や大型店前を通って政策や名前を訴えたが、有権者の反応は鈍い。市内神山の主婦(62)は「目にするのは震災のニュースが中心。立候補者はよく知らないし、知りたい気もしない」と素っ気ない。同市本通の飲食店経営、斉藤明彦さん(46)は「遊説時間が短くなり、走行速度が速くなったせいか、言葉がよく聞き取れない」と話す。

 函館市区に立候補したある現職陣営は「一番脂っこい時期に震災が重なり、良くも悪くも有権者の反応が見えにくい」と、思うように進まない選挙活動に気をもむ。新人陣営からは「もう少し落ち着いてから選挙戦に突入できれば良かった。現職に比べればどうしても不利」との嘆き節も聞こえる。

 活動に工夫を凝らす陣営も。選挙カーを小型化し、小刻みに降りてハンドマイクで訴える候補者や、遊説の自粛時刻後に個人演説会を精力的にこなし、「顔の見える選挙戦」へとシフトした陣営も目立つ。

 どの候補者も名前を浸透させたい半面、被災者にどう配慮するか、狭間に立たされる。現職候補者の一人は「今まで何度も選挙をしてきたが、(連呼などを)不快に感じてきた方も多い。運動のあり方そのものを見直す時期なのかもしれない」と打ち明ける。

 自粛ムードによって、投票率に影響するのではとの声もある。市内亀田本町の会社員吉岡勉さん(51)は「被災者への配慮は分かるが、雇用、経済など課題が多い道南にとって大事な選挙。選挙カーはいわば、選挙が近いことを知らせてくれる存在。これでは投票率の低下が心配だ」。

提供 - 函館新聞社


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