10年度の包括外部監査、市教委事業で問題点14件

update 2011/4/4 21:01


 函館市の包括外部監査人、北川勝弘税理士はこのほど、2010年度の包括外部監査報告書をまとめた。10年度の監査テーマは教育委員会の事務執行で、生涯学習部門10件、学校教育部門4件の計14点で問題点を指摘し、33点の意見を寄せている。このうち民間学童保育所38カ所のうち31カ所が、市教委への提出が必要な施設の平面図を提出しておらず、北川監査人は「徹底した指導を」と求めている。

 西尾正範市長が就任以来「人づくり」を基本に市政運営に当たっていることから、重要業務を進める教育委員会をテーマに選定。09年度を対象に、事務の適切な執行や財産の維持管理などを監査した。

 学童保育所の運営では、民間学童保育所のうち施設の平面図を提出していない保育所が38施設あったほか、運営主体規約で14施設、役員名簿で15施設が未提出だった。ほとんどの施設が古い建物を利用しているため、平面図を持っていない施設も多いが、同監査人は「平面図はある程度書くことは可能で、事業運営上必要な書類」として指導の徹底を求めた。

 各社会教育施設に置かれている自動販売機については、市から行政財産使用許可を受けた団体が、企業と設置契約を結んだ事例があったことから「規則に違反する」と指摘。市が企業と直接契約を結ぶべきとしている。

 また、市長の目玉政策で、市立学校長の裁量で教育活動に使用できる「知恵の予算」に関し、手続きは適正に行われているとしながらも、本来は計上すべきではない学校図書購入に充てられたケースもあった。

 10年度は図書購入費が別枠で作られ、購入への使用事例はなかったが、同監査人は「本来の目的にふさわしい使われ方がされるよう、検討していくべき」と意見を寄せている。

提供 - 函館新聞社


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