厳しい環境 耐える被災者…派遣の保健師が現地の実情語る

update 2011/4/1 10:02


 東日本大震災の医療支援として、函館市が岩手県宮古市に派遣した保健師が帰函。健康相談業務などに携わった市立函館保健所保健師の加藤貴子さん、佐藤妙子さん、坂上ゆかりさんに現地の状況や活動内容を聞いた。

 加藤さんと坂上さんは第1班として18〜24日、佐藤さんは第2班として23〜29日まで被災地で活動。宮古市が指定した2カ所の避難所や倒壊を免れた家屋で生活する人、自主的に避難した人の健康相談や訪問相談を行った。

 加藤さんが被災地入りし、強く印象に残ったのは寒さ。現地の状況はテレビの報道などで目にしていたが、強風で砂ぼこりが舞い、雪がちらつくなど、石油や電気が使えない状況を自らの体で感じ、被災地の現実を実感した。

 加藤さんと坂上さんは避難所や自宅で避難している人を周り、健康状態について相談に乗った。悲惨な現実を受け止めながらも倒壊した自宅に私物を取りに行く被災者を見て、坂上さんは「悲しみやつらさを抑え、今できることに全力を尽くしている」と感じたという。

 佐藤さんは相談業務のほか、医師、看護師と連携し「こころのケアチーム」の一員としても活動。震災から時間がたつにつれ、仮設住宅や受け入れ先などこれからのことを涙を流して話す人の言葉に耳を傾けた。

 被災地入りして3人が感じたのは医薬品の不足と被災者の体調。とりわけ被災者は慣れない集団生活で不眠、かぜ、便秘など体調を崩す人が多くいた。函館市は第7班まで保健師などの派遣を予定しており、3人は「被災地での活動経験をよりよい形にしてバトンを渡していければ」と声をそろえた。

提供 - 函館新聞社


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