客船入港にも震災の影 海外船中心キャンセル相次ぐ

update 2011/3/31 12:45


 東日本大震災の影響で、新年度に函館港に入港予定のクルーズ客船のキャンセルが相次いでいる。30日現在、5月に予定が入っていた5隻のうち外国船を中心に4隻が寄港を中止。今後、さらに入港の取りやめやルート変更も予想され、市港湾空港振興課は「今は原発事故の推移を見守るしか…」と対応に苦慮している。

 新年度、函館港に寄港予定だった12隻のうち、外国船は過去最多タイの7隻で、船の規模を示す総トン数では過去最大だった。クルーズ船の寄港地への経済効果は、一般的に諸経費を含めて1隻2000〜3000万円とされるだけに、関係者は落胆の色を隠せない。

 30日までに函館寄港を取りやめたのは、5月1日の「ふじ丸」(2万3235トン)、同7日の「フォーレンダム」(米国、6万906トン)、同19日の「シルバーシャドー」(同、2万8000トン)、同22日の「コスタクラシカ」(イタリア、5万3000トン)の4隻。

 同課によると、震災後、海外での原発被害への懸念から、外国船を中心に日本への渡航自体を取りやめる動きが加速。函館に寄港する客船は横浜や神戸を発着する太平洋回りが約8割を占めるため、特に影響が大きいという。

 今後も、さらに函館への入港キャンセルや、函館が運航ルートから外れるケースが想定され、同課は「原発の状況が収拾するまで表立ってセールスもできない。今後、日本船が入ることで安全を証明し、7月以降の下期の入港増に期待したい」としている。

提供 - 函館新聞社


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