西尾、工藤氏が市長選公開討論、函館の将来像で論戦

update 2011/3/26 12:49


 4月17日告示の函館市長選立候補予定者による公開討論会「函館市の未来を選択する」(函館青年会議所主催)が25日夜、湯川町1の函館市民会館大ホールで開かれた。現職で2選を目指す西尾正範氏(62)と、新人で前副市長の工藤寿樹氏(61)が出席し、テーマに沿って政策を語った。会場には有権者ら約400人が詰めかけ、議論を見守った。

 同会議所による討論会の開催は初めて。道内選挙に伴う公開討論会を支援するNPO法人リンカーン・フォーラム北海道(札幌)の笹村一代表がコーディネーターを務めた。開会前には東日本大震災の犠牲者に対し、黙とうをささげた。

 冒頭、両氏が所信表明をスピーチ。西尾氏は「緊急経済対策や雇用対策をしながら、新しい施策に取り組めた」と振り返り、大震災について「観光業などで大きな影響が出ている。新幹線時代を前に、東北抜きに函館振興は考えられない」と、復興対策を最優先する考えを示した。

 一方、工藤氏は「自分の考えているまちづくりが、今のままではできない」と、副市長を辞職して立候補に至った経緯を説明。「立て直しを考える時。明確な理念と将来ビジョンを持ち、魅力がはっきりとみえるまちづくりを進めることで、函館を大きく変えていきたい」と訴えた。

 施策の優先順位として、西尾氏は@大震災被害への対策と地域経済維持A市民力や若者の力を育てるB未来大への医学部設置―とし、医学部の設置に関しては「地域が変わる大きな意義を持つ事業」とした。工藤氏は@経済と財政の再建A福祉と教育の充実B美しいまちづくり―を挙げ、「経済の再生なくして函館復活はない。赤字穴埋めのための無駄な借金をなくすことが第一だ」と述べた。

 討論は観光振興、活性化、財政改革、教育・福祉、10〜20年先の将来ビジョンをテーマに両氏が政策を主張。新幹線の開業に対し、工藤氏は駅前・大門地区の再生に取り組むとし、西尾氏は青森とのさらなる連携の必要性を訴えた。

 また、約2700億円の借金を抱える市財政の改革をめぐっては、工藤氏が「赤字穴埋めのための借金を繰り返している」と批判したのに対し、西尾氏は市債残高を4年間で118億円削減したことを強調。工藤氏の「小泉改革以降財政は厳しく、もっと行革をやらなければならない。一般会計の借金は何も減っていない」との指摘に、西尾氏が「一般会計の人件費は280億円から220億円に削減したのは事実だ」などと反論するなど、双方の論議が過熱する場面もみられた。討論の最後には互いの健闘を誓い、両氏ががっちりと握手した。

提供 - 函館新聞社


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