函館市水産物地方卸売市場 競り再開で関係者ら安ど
update 2011/3/15 10:18
東日本巨大地震の津波被害を受け休場していた、函館市水産物地方卸売市場(豊川町27)は14日早朝、3日ぶりに競りを再開した。震災の影響で競りにかけられたのは道南近郊産を中心に約3トンと、通常の1割に程度にとどまったが、市場関係者は「再開できたことで、漁業関係者や消費者に安心感を与えられた」と、安堵(あんど)の表情を浮かべた。
競りは午前6時から開始。競り人の威勢のいい掛け声とともに市場に並んだ鮮魚類が、地元の買い受け人約150人に次々と落札されていった。市場には13、14の両日に鹿部で水揚げされたカジカや石崎で上がったババガレイ、噴火湾で採れたズワイガニなど道南近郊の鮮魚類が並べられた。道外産は冷凍保存されていたタイなどごくわずかで、市場に出回った魚の種類も普段と比べ大幅に少なく、市場の広いスペースが目立った。
函館市宝来町の鮮魚店の和田実さん(60)は「噴火湾産のヒラメやソウハチなどを仕入れた。魚の種類も少ないし、値段も高い」と淡々と語った。
函館魚市場の山上慎太郎部長は「通常40〜80トンで競りが行われるが、しけや漁の控えなどで数が少なかった。市場休場中に在庫で対応していた地元スーパーや鮮魚店への供給には役立てたのでは」と話す。12日の競りのために市場に保管し、津波で場外へと流出した20トンの鮮魚類については、「金銭的な面も含め、補償する方向で考えている」とする
同社によると、今後の懸念は加工原料となるイカやタラ。加工業が盛んな宮城や岩手の水産加工業者が津波で被害を受けており、東北の流通経路に復活のめどが立たないことから、価格に影響が出る見込み。山上部長は「物流の混乱で、加工原料の価格がどうなるか不透明」と話している。
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