噴火湾で漁業被害深刻化
update 2011/3/15 10:17
東日本巨大地震による津波の漁業被害が、噴火湾で深刻化している。渡島総合振興局による13日正午現在のまとめでは、八雲、長万部の両町のホタテ養殖施設の被害が際立っている。同局では「被害額の把握まではできていないが、億単位になる見通し」とする。
八雲町漁協によると、沖合のホタテ養殖施設の被害が甚大で、養殖ロープが切れ、浮き玉やロープもろもろが絡まっているという。幹部は「いま答えられるのは相当な被害だということだけ」と話す。同漁協は15日午後3時から対策会議を開き、具体的な対応に入る。
コンブ養殖が盛んな函館市南茅部地区でも漁業施設が被害を受けた。南かやべ漁協は大船支所で被害が目立ち、養殖コンブのロープが切れるなどし、14日は早朝から応急処置が行われた。
同支所内の114軒のうち100軒以上、計1200本(1本100〜120メートル)に何らかの異常があり、支所全体の1割で、被害額は少なくとも1億円と見ている。
同漁協によると、漁場の養殖ロープは複雑に入り込み、ロープ切断など少しの異常が連鎖となり、全体へ被害を拡大させるという。14日は砂袋の重しを入れるなどしたが、正午前から海が荒れたため、作業を中止した。応急処置作業は相当の手間がかかり、危険も伴うため、慎重に行われる。
えさん、戸井、渡島西部の各養殖施設の被害は確認されていない。
噴火湾に詳しい漁業者は「八雲や長万部にかけての海底は、すり鉢状になっていて、津波が入ると底から盛り上がるように沿岸に押し寄せる。八雲のホタテ養殖は、この強烈な波に持ちこたえられなかったと思う」としている。
函館開発建設部は14日、所管施設の被害状況を発表した。被害があったのは、函館港で、津波浸水で軽微な損傷があったが、近日中に修復する見込み。そのほかの河川や国道、港湾、函館空港周辺施設に被害はなかった。上磯ダム、知内ダム、大野平野地区、知内地区などの農業においても異常はなかった。
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