函館の交通網 徐々に復旧
update 2011/3/14 10:19
東日本巨大地震の発生から2日たった13日、函館市内は津波による冠水被害を受けた朝市周辺やベイエリア、水産物地方卸売市場で引き続き復旧作業が行われた。JR、フェリーなどの交通機関は運行を再開。水産物市場は14日から競りの再開を決めるなど、市民生活は徐々に落ち着きを取り戻しつつある。
市水産物地方卸売市場(豊川町27)は、津波で全壊したシャッターや地面陥没などの痕跡が残る中、午前7時ごろから市場関係者や市職員が集まって清掃作業が行われた。午後2時からは敷地内が消毒され、14日午前6時からの競り再開を決めた。
函館魚市場の松山征史社長は「入荷量はわからないが、市民の台所として市も仲卸も小売商も一致団結しなくては」と前を向く。仲卸業を営む二階順一郎さん(61)は「1日も早く業務しないと全体が困る。市民に早くおいしい魚を届けたい」と話した。
函館朝市でも引き続き、関係者が水浸しになった商品を外に出したり、使用不能となった什器(じゅうき)の片づけ作業に追われた。朝市内の渡島ドームでは営業を再開する店も一部出たが、渡島蔬菜(そさい)農業協同組合の坂口雄一組合長(63)は「実質、商売になってない。元に戻るには相当時間がかかる」と話す。
朝市関係者向けに日用品や菓子を扱うカネシン(新矢直行社長)では12日まで停電が続いたため、本格的な作業はこの日から。新矢社長(62)は「水がかかると、何ともないものまで捨てないとならない。ほとんどの店は冷蔵庫が使い物にならなくなった」とうつむいた。
函館市は前日に続き、土木部や農林水産部の職員を中心に約60人体制で水産市場と朝市の片付けに当たった。避難指示解除後も市役所本庁舎と市総合福祉センターを開放し、13日午前8時半までに、残っていた計23人が帰宅した。
交通機関は、津軽海峡フェリーと青函フェリーが12日夜から運航を再開。JRは函館線で函館―札幌間の特急4往復を運行し、36本が運休。江差線は21本が運休、津軽海峡線は終日運休した。函館市電は始発から全線で通常運行を再開した。
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