スーパーから鮮魚消える…津波被害、物流ストップ

update 2011/3/13 10:28


 11日に函館港を襲った津波は、函館市水産物地方卸売市場(豊川町)を直撃した。これに伴い道南への水産物供給は断たれ、12日にはスーパーなど小売店から生鮮魚介類が消えた。青函のフェリーは運航再開のめどが立たず、物流はストップしたまま。宅配便は取り扱いを停止した。

 函館港に面する水産市場には幾度にもわたり海水が浸入。競りを待っていた活魚や鮮魚など40トン以上が全滅し、12日は臨時休場とした。漁獲物の被害は2000〜3000万円と推定する。

 市場周辺には商品になるはずだった近海産のタラやカレイ、ゴッコなどが電車通りまで散乱し、関係者は早朝から片付けに追われた。市場を運営する函館魚市場の松山征史社長は「全部だめになった」と肩を落とし、11日から12日にかけて泊まり込んだ布廣雄太さん(28)は「何度も押し寄せる津波に身の危険を感じ手が震えた」と振り返った。

 市内の小売店からは近海産の鮮魚が姿を消した。スーパーを展開する道南ラルズは「生魚が入ってこない」とし、冷凍物や加工品で対応。このほかの商品は在庫があるため目立った影響はなく、「災害に備えて水の販売が若干伸びている程度」という。

 津波警報のため函館―青森間のフェリーは運航を停止し、フェリー乗り場周辺には荷物を積んだ大型トラックが幾重にも列をなした。11日夕から待機する青森市内の運送会社社員は「千葉まで乳製品を運ぶ途中だが、商品になるかどうか…」とつぶやいた。

 ヤマト運輸は全国で荷物の受け付けを停止中。同社の函館港町センターは、前日に受け付けた荷物の返送作業に追われた。ゆうパックは東北6県と茨城県向けの受け付けを停止し、このほかの地域向けは到着日を保証せずに取り扱っている。一般郵便物も到着日を約束していない。

 北海道銀行函館支店(本町)と北洋銀行函館中央支店(若松町)は12、13両日に、ATMのほか窓口営業も実施する。被災で通帳や印鑑をなくした場合は、最大10万円までの支払いに対応する。

提供 - 函館新聞社


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