大腸がん受診率低調 市立函館保健所

update 2011/3/6 12:06


 函館市の大腸がん検診の受診率は2008年度が4%、09年度が5%で、道内の他の自治体に比べて大幅に低い状況が続いている。市立函館保健所は医師会と協力し、事前に申し込んだ受診者に大腸がん検査キットを送付し、医療機関に持参してもらう集団検診を推進しているが、受診率のアップにつながっていないのが現状だ。

 函館市で行われている大腸がん検診は、事前に送付された検査キットに便を採取し各医療機関に持参する個別検診と、特定健康診査会場に持参する集団方式の2方式で実施。検査で便に潜血が見られた場合、医療機関で内視鏡検査などの精密検査を行う。

 08年度に受診率が高かった道内の自治体は、室蘭市が22・3%、帯広市が16・6%、旭川市と小樽市で16・5%と、いずれも函館市を大きく上回っている。室蘭市ではすべて個別医療機関で検診を行っているが、室蘭市保健センターは「医師が定期検診などの際、来院者に積極的に検査を勧めるなど、個々の取り組みが進んでいるのでは」と受診率の高さを分析する。

 室蘭市でも働き盛りの40〜50代の受診率は伸び悩んでいるものの、65歳以上の高齢者の受診率も高く、「高齢者はかかりつけ医の勧めに従って積極的に検診を受けているケースが多く、その重要性を認識してもらっている」(健康づくり課)という。

 一方、市立函館保健所が09年度に行ったアンケート調査では、がん検診を受けない理由として▽いつでも医療機関で受診できる▽経済的負担になる▽たまたま受けない―など、がん検診への関心の低さが浮き彫りになった。

 同保健所は保健師が各町会に検査キットを配布したり、がん検診の実施場所や日時を掲載したカレンダーを全戸配布したりして「少しずつ受診率は上昇している」とし、さらなる受診率向上に力を入れている。

提供 - 函館新聞社


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