ダイヤ調整で対応へ 新幹線、貨物列車と共用区間
update 2011/3/4 12:05
2015年度開業予定の北海道新幹線新青森―新函館(仮称)間で、新幹線が貨物列車と線路を共用する区間(約82キロ)ですれ違った際、風圧により貨物列車が脱線する危険性がある問題で、国土交通省が運行ダイヤを調整してすれ違いを回避し、一部新幹線の260キロ走行を検討していることが、3日までに分かった。ただ、貨物列車の運行が過密なためダイヤ調整が難しい時間帯もあり、開業直後は一部の新幹線で在来線特急並みにスピードを落としての運行も想定される。
新青森―新函館間のうち、青函トンネル(約54キロ)とその前後は新幹線と在来線(貨物列車)が共用する区間。高速で走る新幹線と貨物列車とがすれ違う際、新幹線の風圧で貨物列車が脱線する懸念が指摘されている。
同省は昨年2月、すれ違い問題の解決策として(1)新幹線の共用区間内の走行を在来線特急並みの時速約140キロに減速(2)上り・下り線を分ける隔壁の設置(3)新たな専用トンネルの建設―などを提示したが、財政負担が多額で新幹線の速達性が失われることなどから、北海道や青森県などが反対していた。
同省鉄道局は函館新聞の取材に対し、今年1月に同省と鉄道・運輸機構、青森県が事務レベルで協議した際に「貨物列車のダイヤを調整することで、すれ違わなければ260キロ走行は可能」と説明したことを明らかにし、道にも説明したという。同局の担当者は「基本は運行主体(JR北海道)が決めることだが、最も現実的な案として提案した」と話す。
道新幹線対策室は「提案はうかがっているが、結論は出ていないと聞いている」とする。函館市は「国から直接話は聞いていない」とした上で、JR北海道が貨物列車を新幹線に乗せる「トレイン・オン・トレイン」の研究開発を進める点から「貨物列車のスピードアップも含めて、抜本的な解決策を望んでいる」(企画部)としている。
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