道南金融動向 景気「引き続き厳しい」
update 2011/3/2 14:50
日本銀行函館支店(山田正弘支店長)が1日に発表した1月の道南地方の金融経済動向によると、公共投資は新幹線関連工事が下支えしているものの、個人消費に足踏み感がみられ、観光持ち直しの動きは一服している。景気判断は「持ち直しつつあるものの、引き続き厳しい状況が続いている」として据え置いた。
公共投資は、国や地方公共団体分は減少傾向にあるが、新幹線関連工事が下支え。1月の道南全体の請負額は、前年同月比7・3倍と大きく伸び、3カ月連続で前年同月を上回った。年度初来類型でも同3・9%増で、8カ月ぶりに前年同月を超えた。設備投資は、グループホームの建設などで非住宅着工が床面積で同43・3%増と好調だった。
個人消費は、食料品が堅調に推移したほか初売りが好調で、主要小売店(10社)の売り上げは同1・1%増と4カ月ぶりに前年同月を上回った。一方で家計の節約志向などを背景に、衣料品などが低調。家電販売は高機能携帯電話(スマートフォン)など一部で動きがあるものの、エコポイント制度変更前の駆け込み需要の反動が尾を引き、薄型テレビを中心に大きく落ち込んだ。
新車登録台数は、普通・小型車が同21・8%減少し5カ月連続で前年同月を下回ったが、軽乗用車は同10・9%増で2カ月連続で前年を上回った。
観光は、JRの企画商品や新幹線を利用した東北・関東圏からの観光客増加が目立ち、主要ホテル(20社)の宿泊客数と函館山ロープウェイ、五稜郭タワーの利用者がそれぞれ前年同月を上回り明るい動き。しかし函館空港の乗降客数は2カ月連続で前年同月を下回った。生産では、乾燥珍味に値上げ前の駆け込み需要があったことなどから、水産加工が低水準ながらも一部で操業度を引き上げた。
同支店は「主要指標では1月は比較的前年を上回ったが、これが2月以降に続く要素は確認できない」とする。
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