変わらぬ伝統の味、ガラナの小原80年

update 2011/2/28 16:41


 すっきりした風味とさわやかな後味で親しまれる炭酸飲料「コアップガラナ」を製造する函館市亀田港町の「小原」(小原光一社長)が、7月で創業80周年を迎える。本道の天然素材にこだわり続けるその味は、国内外で大人気。今年は道南産のマコンブを使った飲料も販売予定で、6代目の小原社長(59)は「伝統の味を守りつつ、新商品でさらなる消費者を開拓したい」と気持ちを新たにしている。

 小原は1931(昭和6)年に小原社長の祖父、三次郎氏が創立。元々、森町でヤマブドウの果実酒を製造していたが、50年代後半、全国の中小の清涼飲料水メーカーでつくる「全国清涼飲料協同組合連合会」が日本に上陸するコカ・コーラへ対抗すべく「コアップガラナ」を開発。全国の企業が60年から統一商標として各地で発売したのに、小原も加わった。

 ガラナはブラジル原産の木の実で、抽出したエキスは「先住民族のガラニス族が愛飲して踊り明かしたと伝えられる滋養強壮剤」(小原社長)。50年代、ガラナ飲料が圧倒的シェアを誇ったブラジルで、コカ・コーラが大苦戦。これに着目してコアップガラナが生まれ、ボトルには京都の舞妓(まいこ)の立ち姿をデザインし、差別化を図った。

 しかしコカ・コーラの台頭でほとんどの企業が数年で製造中止。一方、コーラの進出が本州より3年遅れた本道ではこの間に小原のガラナ飲料が浸透、人気商品として定着した。小原社長によると、道民は炭酸飲料消費量が全国トップクラスで、暖房機が整い機密性がある住宅事情も「根強い人気の要因」と分析する。ここ数年の年商は約6億円で推移し、うち道内での売上高は90%に上る。

 主力銘柄には、横津岳の伏流水や道産ジャガイモのでんぷんで作る液糖を使用。近年ではカロリーゼロや季節限定のガラナ飲料に加え、ブラジルのコーヒー豆や十勝管内足寄町特産のキイチゴを使ったユニークな商品開発にも力を入れる。サイダー、ラムネなども含め現在は約30品目を扱い、本州の物産展や外国人が集まる観光地でも大人気だ。

 今年4月にはとろとろしたエキスが魅力の道南のマコンブを活用したサイダーを発売する。安心、安全、おいしいがモットーという小原社長は「既存の主力銘柄に満足することなく、北海道の新たな魅力を全国へ発信し続け、何十年も愛されるガラナ飲料を目指したい」としている。

提供 - 函館新聞社


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