高卒採用企業に15万円支給 「補助金」新年度も継続

update 2011/2/21 10:27


 函館市は、高校の新卒者を半年間雇用した市内の中小企業に補助金15万円を支給する「雇用奨励補助金」について、新年度も継続することを決めた。新年度からは補助対象となる新規高卒者の枠組みを2009〜10年に卒業した未就職の既卒者にも拡大し、地元企業の求人増や若者の地元定着を目指す。

 同補助金は、市の経済・雇用対策の一環で、本年度から始まった制度。新規高卒者を6カ月間雇用した市内の中小企業に対し、1人当たり15万円を支給する。本年度はこれまでに72社から165人分の申請があった。

 ただ、高卒者は採用されてから1年以内の離職率が高く、当初予算4800万円で目標としていた320人分を大幅に下回った。本年度の支給額ベースでは100人程度にとどまる見通しで、新年度の予算案では240人分に当たる3600万円に減額された。

 新年度からは景気低迷で厳しさを増す高卒者の求人拡大に向け、新規高卒者の条件を前年度に卒業した人に加え、08、09年度の既卒者で、卒業後1年以上継続して同じ事業所で正規雇用された経験がない人にも拡充。高校を中退した人などのため、対象となる年齢も引き上げた。

 市は今年に入り、市内の経済団体や高校などに補助金の制度を知らせる案内を配布し、申請の受け付けを始めたが、18日現在で14社・21人分の申し込みしかなく、前年度の同時期と比べても出足が鈍っている。

 市労働政策室は「厳しい経営環境の中、社会経験のない高卒者の採用に企業は二の足を踏みがちなのが実態。制度を活用してもらい、1人でも多くの若者が地元で就職できるよう、求人を増やすきっかけにしたい」としている。問い合わせは同室TEL0138・21・3308。

提供 - 函館新聞社


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