万一に備え命のバトンを 「絆21」で配布中

update 2011/2/19 09:57


函館市白鳥町6の在宅介護支援グループ「絆21」(大田夏美代表)は昨年夏から、自分の医療情報をまとめて保管する救急医療情報キット「命のバトン」を有料で配布している。万一の事態に備え、救急隊が高齢者らの情報を即座に把握できるツールで、これまでに130本配布。大田代表(72)は「命を守る一つの手段になるのでは。この取り組みが全市的に広がれば」と期待し、さらなる利用を呼び掛けている。

 1999年発足の同グループは、ヘルパーや元看護師ら30〜70代の女性でつくるボランティア団体。一人暮らしの高齢者を対象に食事会を開くほか、ちぎり絵や健康マージャンなど7つのサークルで利用者を楽しませている。

 命のバトンは災害や急病に備え自分や家族、知人の住所や名前、通院先、常備薬などの情報を専用シートに記入し、容器に入れて冷蔵庫に保管する取り組み。保険証や免許証の写し、自分のスナップ写真なども入れておくと便利で、利用者が救急搬送される場合、迅速な救命措置につながる。全国的な取り組みを知った大田代表の発案で始めた。

 容器はプラスチック製の円筒型。容器の存在を周知する「お願いカード」も付いており、玄関のドアの内側や固定電話の近くに貼っておく。

 大田代表によると、これまでキットがその効果を発揮した例はないというが、「もしもに備えて必要とする人が申し込んでいく」という。

 「高齢者の中にはきちんとシートに記入できない人もいて、我々が付き添わなければならない現状もあるが、まずはキットの存在を知ってもらえれば」と話している。

 1本500円。申し込みや問い合わせは「絆21」電話0138-41-7058。

提供 - 函館新聞社


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