桧山南部 立茎アスパラ2億円突破

update 2011/2/18 11:20


 【乙部】桧山南部の戦略作物として、2000年度から栽培が始まった「立茎(りっけい)アスパラガス」の販売額が本年度、生産開始から11年目で2億円を突破した。農業活性化に向けて、官民を挙げて普及に取り組んできた立茎アスパラ栽培は、さらなる生産振興が期待されている。

 17日に乙部町民会館で開かれた、桧山南部広域立茎アスパラガス生産組合(林義秀組合長)の総会で報告された。

 本年度の収穫面積は、江差、上ノ国、厚沢部、乙部、奥尻、八雲の6町で計11.2ヘクタール(対前年度比2・9%増)。販売量は過去最高の169.9トン(同18.1%増)。販売額は2億296万円(同20.2%増)。2億円の大台を超えたのは生産開始以来初めて。

 立茎アスパラ栽培は、厚沢部・乙部両町の3戸(面積17e)で2000年度に始まった。05年度までに、江差、上ノ国、奥尻、旧熊石の4町を含めて79戸(収穫面積9.2ヘクタール)に拡大。江差町では35棟の大型ビニールハウスで生産を開始。奥尻町では、異業種参入の建設会社も加わり、販売額は1億円を超えた。6町全体の収穫面積は、本年度までに2f増加。栽培農家も4戸が加わり83戸となった。

 立茎栽培は、ビニールハウスで3〜4月にかけて、春芽を収穫する。春先は露地物が市場に出る時期より早く出荷できる。5〜6月には、良質の春芽を高さ約2bの立茎に育て、6〜9月にかけて、立茎の脇から成長する夏芽を収穫する。露地物の端境期を狙い、年2回の収穫が可能となるなど、高い収益性が注目されて、道、町、新函館農協などが普及を支援してきた。

 桧山南部で、最多の収穫面積を誇る、厚沢部町の渋田正己町長は「この5年間だけで販売額は1億円増加した。立茎アスパラ生産は、桧山南部の農業を飛躍させる方向性を示している」と評価する。改行 新年度の収穫面積は、江差218アール、上ノ国94e、厚沢部591アール、乙部211アール、奥尻107アール、八雲7アールの12.28ヘクタールを計画。販売量182.2トン、販売額2億1044万円を見込んでいる。林組合長は「組合員の自助努力や関係機関の協力により3億円の販売額を目標に今後も頑張っていきたい」としている。

提供 - 函館新聞社


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