江差の海にニシン産卵呼び戻せ 「群来」復活願い対策協議会発足
update 2011/2/15 10:49
【江差】ひやま地域ニシン復興対策協議会が14日に発足した。古くからニシン漁で栄えた桧山地域では、ニシンの産卵により、広い範囲の海面が濁る「群来(くき)」が途絶えて久しい。近年は、稚魚放流などの取り組みで石狩湾などでは群来が復活した現状から、同協議会は「群来よ再び―」を合い言葉に、管内でも稚魚放流や産卵場所となる藻場造成に取り組む考えだ。
協議会は桧山管内7町と八雲町、桧山振興局、ひやま漁協で組織。工藤昇上ノ国町長が会長、同漁協の市山亮悦組合長が副会長に選ばれた。
桧山沿岸では2009年度から、振興局の独自事業としてニシン稚魚の試験放流事業を開始。09・10年の2年間で6万匹の稚魚を放流。同協議会は振興局による試験事業を引き継ぎ、新年度は桧山沿岸で8万匹の稚魚を放流する。
道によるニシンの放流事業は、石狩・留萌管内で1996年にスタート。近年は石狩湾などで群来が復活して漁獲量も増えている。だが、桧山沿岸では1913年を最後にニシンの大群は姿を消したまま。現在は管内でニシン漁を行う漁業者はおらず漁獲データも無いという。漁網にごく少量のニシンが紛れ込むこともあるが、桧山沿岸での生息状況は謎に包まれた状態だ。
このため、同協議会は、管内で捕獲されたニシン数や大きさなどのデータ収集とともにDNA鑑定を行いながら生態の解明を進める。また、人工採卵による稚魚放流、産卵場所となる藻場の造成なども検討する。工藤会長は「短期間で放流の成果が得られなくとも、後世に大きな水産資源を残すという心構えで、5年から10年の長いスパンでニシン復活を目指したい」と意欲を見せている。
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