歴風文化賞に4件
update 2011/2/9 10:22
函館の歴史的風土を守る会(歴風会、落合治彦会長)は、2010年度の「歴風文化賞」を発表した。歴史的な建造物の貴重性、持ち主の保存に対する努力や、郷土文化、景観へ寄与した個人などをたたえるもので、本年度は保存建築物として「石崎滋邸」(元町29)と「二本柳旅館」(豊崎町64)、特別賞に「みかづき工房」(弥生町23)、原風景に「基坂」の4件が選ばれた。
歴風文化賞は1983年度から始まり、本年度で28回目。函館や近郊の歴史ある建造物などを後世に残そうと、毎年表彰している。
石崎邸は1937(昭和12)年、弁護士事務所兼住宅として建てられた木造2階建て、和洋混合の建築物。昭和初期の函館における事務所兼住宅の歴史を知る上で貴重とされた。1、2階とも洋室を基本とし、1階には先祖から伝わる120年を超える仏壇のある仏間と和室もある。窓ガラスも多く、開放的な室内となっている。
二本柳旅館は33(同8)年に旅館兼住宅として建てられた。昭和初期は主に行商人が、現在は観光客や工事関係者などが宿泊する老舗旅館。木造2階建てで、1階の食堂は豪華な書院造りで、柱にヒノキ、床柱には黒檀(コクタン)が用いられている。昭和初期における旧南茅部地区の旅館兼住宅の歴史を知る上で貴重な建築物であることが評価された。
みかづき工房は明治後期に土蔵部分、大正初期に木造2階建ての店舗兼住宅が設けられた和風の建築物。当時、店舗部分は質屋として利用され、現在は、昔の建具や材料をそのまま生かして改修し、歴史的な雰囲気を生かした喫茶スペースとなっている。函館市における明治から大正期の店舗兼住宅の歴史を知ることができる。
基坂は、旧函館区公会堂など歴史的な建築物が石畳の坂を彩っており、函館の歴史を長年見つめ続けていることで原風景とされた。
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