JR「大人の休日倶楽部会員パス」、函館観光に好影響
update 2011/1/22 11:26
JR東日本が、満50歳以上の会員を対象に販売した格安旅行切符「大人の休日倶楽部会員パス」が、函館観光に好影響をもたらしている。利用は13日から25日までの期間限定だが、会員パスの発売は東北新幹線の新青森延伸開業後初めてで、新幹線を利用して道南まで足を延ばす観光客が増加。函館での宿泊をセットにしたプランも大幅に予約が伸びており、地元の観光関係者は利用客に熱い視線を送っている。
同社によると、「大人の休日倶楽部」会員は2009年度実績で約123万人。会員パスは1万2000円で販売され、JR東日本全線と民間路線の一部に加え、JR北海道管轄の函館駅と江差駅までが、新幹線や特急も含めて3日間乗り放題となる。指定席も6回まで利用できる。
パス1つで函館まで足を延ばせることから、同社が会員パス期間に合わせて湯の川温泉や函館駅前など17カ所のホテル・旅館に宿泊できるプランを企画したところ「昨年から予約が約4倍に増えた」(同社広報部)としている。
湯の川温泉のあるホテルは今回から宿泊プランに参加し、1月中の予約が前年同期を約5%上回った。ホテルの予約担当者は「新幹線が開業した12月が予想を下回った分、会員パスの存在は大きい」と話す。
JR北海道函館支社は「指定席が満席となる定期列車が毎日のように出ている」とし、会員パスの利用期間中には函館―新青森間の特急「白鳥」を1往復増便した。週末の14、21日にはJR北海道のほか、函館や北斗、七飯、鹿部、上ノ国など各自治体の観光関係者が函館駅でパス利用客を出迎え、各地の観光ガイドを配布した。
福島県双葉町の黒木忠房さん(54)は「青森まで延びた新幹線に乗りたかった。函館は1年ぶり。湯の川温泉でのんびりしたい」。友人3人と訪れた長野市の宮島孝一さん(60)は「新幹線も特急も、乗客はほとんど同年代だった」と苦笑しながら「パスがないと函館まではなかなか来られない。夜景と露天風呂を楽しみたい」と笑顔を見せた。
同社によると、新年度以降の会員パス販売時期は未定としており、ホテル業界からは「機会を増やしてくれればありがたいのだが」との声も出ている。
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。