昨年の桧山管内、ヒグマ駆除41頭

update 2011/1/22 11:25


 【江差】2010年に桧山管内で有害鳥獣駆除により捕獲されたヒグマは41頭だった。昨年も夏から秋にかけて市街地や農地などで目撃情報が増加傾向にあったが、敏感なヒグマが駆除用の箱わなを避ける傾向も目立ち、従来よりも発見されにくい、くくりわなの導入事例も増えてきた。

 桧山振興局によると、昨年1年間で、農業被害の防止や市街地周辺での危害防止のため、有害駆除されたヒグマは41頭で、09年の47頭を下回った。ハンターによる狩猟では昨年、3頭が捕獲された。

 ヒグマが生息しない奥尻町を除く管内6町では、05年度に過去最高の93頭が捕獲されたが、06年度は24頭、07年度は29頭、08年度も26頭と少なかった。09年は冷夏の影響もあり、ヒグマの餌となる木の実が減った影響もあり、5年ぶりに40頭台を上回った。

 管内では夏場を中心にトウモロコシなどの食害が増えるため、農地に箱わなを設置してヒグマを捕獲する。箱わなは、内部にハチミツやイカゴロなどの餌を置き、おびき寄せられたヒグマが内部に入り込むと扉が落ちる仕組みだ。

 農業関係者によると、近年は、学習能力が高いヒグマの警戒心が強まり、箱わなを避ける傾向が目立つという。このため、バネと鋼鉄製ワイヤを組み合わせた、くくりわなでの捕獲が増えてきたという。ヒグマが農地に接近する際は、人目につきにくい決まった通り道を使うという。経路上に隠したくくりわなを踏むと、環状のワイヤが自動的に締まる仕掛けだ。

 使用は有害駆除に限定されるが、所持条件が厳しく、免許更新や銃弾などのコストが重荷となる銃器よりも免許取得が容易なほか、箱わなよりも簡素で価格も安いために普及が進んできたという。だが、安全管理などの課題もあり「駆除のノウハウの普及が必要」(狩猟関係者)との声もある。

提供 - 函館新聞社


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