函館市5%出資で合意…HAC問題

update 2011/1/19 11:58


 日本航空(JAL)が北海道エアシステム(HAC)の経営から撤退する問題で、函館市は18日、道が要請していた新生HACへの5%の出資について大筋で合意する方針を道に伝えた。不採算路線として休止や縮小が検討されていた函館―釧路、函館―旭川線については「中期的な計画で路線の復活や便数の拡充を求める」(市港湾空港部)とし、条件付きで道の事業プラン案を受け入れる方針を示した。

 道などによると、路線の休廃止は航空法に基づき6カ月前に国土交通省に届け出の必要があるため、函館―釧路線は早ければ7月にも休止する見通し。一方、函館―旭川線は新体制の路線を丘珠に集約する6月から、土日・祝日や年末年始、お盆期、大型連休時に各1往復運航する予定だ。

 出資をめぐって函館市は、路線存続を前提に道との協議を進めてきたが、現在の収支状況を勘案し、釧路線については丘珠経由の乗り継ぎの利便性、旭川線については週末や年末年始などに加え、7|9月の季節運航など、一定の妥協案に理解を示してきた。

 新生HACの資本金は4億9000万円、株価は3万1500円になる見通し。函館市などによると、1%当たりの出資額は約570万円に上るとみられ、市は今後、5%に当たる約2850万円を本年度補正予算案に計上し、2月の定例市議会での議決を得て最終決定となる。

 函館市は、HACが将来、現在3機保有する機材を増やす場合、釧路線の再開を最優先課題として要望し、「遅くとも北海道新幹線開業の2015年度までには路線を復活させたい」と強調。旭川線については「観光需要に対応した金曜日の運航や、7―9月の夏場には毎日運航を望みたい」としている。

 道は「今後の収益状況をみながら、路線の運航ダイヤには留意したい」と述べるにとどまる。近く関係7市町との交渉が合意すれば、残る道内経済界との出資協議を本格化させる方針で、「函館など地方にも各商工会議所を通じて出資を要請する」(建設部空港港湾局)という。

 新生HACの出資比率は昨年10月、道が36・5%、JALが14・5%、札幌市が14%程度とすることで合意。就航自治体では函館市5%、釧路市3%、旭川市1%、女満別空港周辺の網走、北見両市、オホーツク管内大空、美幌両町の4市町で計3%の出資を要請し、残る23%程度を道内経済界が出資する方向で最終調整している。

提供 - 函館新聞社


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