幻想的な舞 五穀豊穣祈る…鹿子舞交流会

update 2011/1/17 12:28


 【厚沢部】町内に江戸時代から伝わる郷土芸能の「鹿子舞(ししまい)」で新年を祝う、第16回新春町内鹿子舞交流会が16日、町民交流センターで開かれた。会場を訪れた100人を超える観客が、林業の繁栄や五穀豊穣(ほうじょう)を祈る幻想的な舞に見入っていた。

 鹿子舞交流協議会(澤口一雄会長)の主催。桧山南部の伝統的な「三匹鹿子」による鹿子舞は、全国各地に伝わる獅子舞≠ニ異なり、3頭の鹿子(シカ)が主役を務める。厚沢部町では、4地区で鹿子舞保存会が活動しているが、歴史やルーツの違いなどから、地域ごとに独自の舞や衣装、囃子(はやし)の様式を脈々と受け継いできた。

 交流会では、延宝年間(1647年ごろ)にヒバの伐採で栄えた町内に、東北の津軽地方から伝えられたとされる土橋鹿子舞(富栄鹿子舞保存会)をはじめ、1897(明治30)年に、当時はヒバ材の流送で栄えた、厚沢部川河口周辺の土場地区(現在の江差町柳崎)から伝えられた当路鹿子舞(当路鹿子舞保存会)が披露された。

 笛や太鼓の囃子に合わせた勇壮な舞には、1頭の雌鹿をめぐって雄鹿と老鹿が激しく取っ組み合う場面があり、争いに勝った雄鹿が老鹿を豪快に投げ飛ばすと、会場の観客から盛んな声援も上がった。

提供 - 函館新聞社


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