「こなひき小屋」大賞受賞…いってみたい商店街&お店北海道表彰
update 2011/1/17 12:27
【七飯】道が主催する「第4回いってみたい商店街&お店北海道表彰」の受賞者が決まり、お店部門で七飯町本町4のパン屋「こなひき小屋」が大賞に輝いた。地域に密着した七飯のパン屋さん≠ニして24年の歴史を刻む同店の親方こと木村幹雄さん(57)は「便利なお店をつくるのではなく、地元の人たちが必要とすることに応えようとやってきているだけです」と話している。
「いってみたい|」は2007年度に始まり、先進的な取り組みにより、地域経済発展に貢献する魅力ある商店街や店舗を表彰。今回は商店街部門に9商店街、お店部門に11店の応募があり、同店は七飯町商工会が推薦した。
同店は1987年に開店。開業前は妻の由紀枝さん(58)とともに、知的障害者施設で福祉の仕事に携わった。その中で「ハンディキャップを持った人たちが社会にもっと近い場所で自立した生活を送れるような職場があれば」との思いを抱いた。85年に施設を退職した後、導き出した答えが「たまたまパン屋だっただけ」と話し、修業を経て、現在地に店を構えた。
当時、近隣に焼きたてのパンを販売する店はなく、間もなく人気店となった。現在の平日の来店者は200人ほどで、大半が地域の常連客といい、それぞれが「いつものパン」を買い求めている。
木村さんは「地元に豆腐屋や八百屋があるのと一緒。地域のパン屋は地域の良さを売ればいい。当たり前に作って、当たり前に売るだけのことで、特別なことはしていない」と話す。食材も道産小麦や季節に合わせた地元のフルーツや野菜など、地域の風土を生かしたパンの開発に力を入れる。また、健常者や障害者を分け隔てなく雇用し、養護学校などの職場実習の受け入れも続けている。
また、函館圏の異種料理人らでつくる「クラブ・ガストロノミー・バリアドス」(通称・ガスバリ、深谷宏治代表)や、函館の西部地区で行われるバル街への参加、道内のリテールベーカリーが参加する「N43°」の活動など考えをともにする仲間たちとのかかわりも大切にしている。
木村さんは「人と人とのつながりを大切にし、地域の人が日常に食べるパンの提供を続けているだけのこと。活性化というのはあとから自然についてくることではないでしょうか」と話している。
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