多数の継続企業、募金は年々減少 函館の寄付事情

update 2011/1/13 10:02


 「タイガーマスク」の主人公・伊達直人などを名乗っての寄付が函館市内でも現れている中、市や福祉団体に毎年継続して寄付を続けている企業や団体、個人も数多く存在する。各団体の関係者は善意の広がりに感謝しながら、一方で従来の募金への寄付が減少していたり、匿名の寄付者ばかりが注目される現状に戸惑う声も聞かれる。

 市によると、09年度に市に現金で寄せられた、用途や基金を指定しての寄付は2億3600万円。市内に競馬場を持つ日本中央競馬会(JRA)など、大口を除いた地元企業や団体からの寄付は30件、約5000万円に上り、中には30年以上継続している企業もある。

 個人からの寄付は6人から寄せられたが、市財政課は「寄付者の中には報道機関への公表や、感謝状の贈呈を断る人もいる」と話す。

 市にはこのほか、清涼飲料水や果物といった「現物」が寄贈されるケースも多く、福祉部の所管分だけで約30件。児童福祉施設や救護施設、特別養護老人ホームなどに配分している。

 函館市社会福祉協議会(若松町33)にも昨年度、現金のほか海産物、演劇チケットなど約60件、総額650万円の寄付が道内外から寄せられた。

 ただ、社協が毎年協力している社会福祉法人・中央共同募金会の「赤い羽根共同募金」への募金は年々減少が続く。ピーク時の1993年度に約3900万円あった募金額は、09年度には2384万円と約6割まで落ち込んだ。市社協は「町会加入率の減少や、街頭募金額の落ち込みが影響している」と話す。

 過熱する“タイガーマスク運動”に、善意を受ける各施設のとらえ方にも変化がみられている。「突発的であれ、ありがたいこと。日本人の心も捨てたものではないと感じた」(ある施設の園長)と好意的にとらえる意見もあれば、別の施設の施設長は「善意は否定しないが、競争しているようで怖くなる」と打ち明ける。

提供 - 函館新聞社


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