ササラ電車77年ぶりに東京へ里帰り
update 2011/1/12 19:09
函館市交通局の除雪車「ササラ電車」が今夏、77年ぶりに東京に里帰りすることが決まった。昭和初期に東京市電気局(現東京都交通局)の車両を購入し、除雪用に改造されたササラ電車は、国内で稼働している現役最古の都電車両。今年の都交通局100周年記念事業の目玉として展示する予定で、函館市交通局は「全国に函館のPRやイメージアップができれば」と期待している。
都交通局などによると、車両は1903—04(明治36—37)年ごろに製造された木造の四輪単車「ヨヘロ型」。東京市電気局の前身、東京鉄道KKが03年から旅客用として運行していた。車両は全長8・7メートル、幅2・3メートル、重さ10・4トンで、乗車定員は40人。
13(大正2)年から路面電車を運行する函館市交通局は、34(昭和9)年3月の函館大火で所有していた路面電車をほぼ焼失。同年4月に、レールの軌間が国内で唯一同じだった東京市電気局から15両を購入した。37年からこれらの6両を除雪用に車両の前後に竹ブラシを装着した「ササラ電車」に改造し、現在も2両が年に数回活躍している。
東京の古い路面電車も多くが戦争や震災で失われ、国内で稼働するのはこの2両のみ。車内の天井や制御装置の一部には当時の趣が残っているという。都交通局は8月に開局100周年を迎え、6月21日—8月28日に江戸東京博物館(墨田区)で開かれる記念行事で目玉として、1両を借り受けることになった。
都交通局は「いろいろな偶然が重なって今に残る大変貴重な車両。都電100年の歴史を伝える目玉展示として多くの人に喜んでもらいたい」と話し、函館市交通局も「東京生まれ、函館育ちの車両。函館と東京の友好のかけ橋となって函館全体のPRにつなげたい」としている。
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