函館市の純資産1979億円…09年財政状況
update 2011/1/5 19:32
函館市はこのほど、2009年度の財務書類をまとめた。市の財務状況をまとめた報告書で、普通会計ベースでの純資産を1979億4700万円(市民一人あたり約70万円=今年3月末現在)と試算、前年度から2億円上回っている。
06年に総務省が示した指針を受け、昨年に続きまとめたもので、公会計に企業会計の考え方を導入。普通会計ベースで市の保有財産と、それをどのような財源で賄ったかを示す「賃借対照表(バランスシート)」、資産形成に結び付かない行政サービスにかかる経費と、直接対価として得られた財源とを対比させた「行政コスト計算書」に加え、純資産の対前年度との変動を示す「純資産変動計算書」、それに年度当初と年度末の資金増減を示す「資金収支計算書」を作成した。
普通会計ベースで基金や出資金などの金融資産、土地・建物など有形固定資産を含む市の資産は3842億1500万円(同136万円)。地方債や退職手当引当金などの負債額は1862億6800万円で、約83%を地方債が占める。資産のうち、市民の持ち分割合を示す純資産比率は51・5%で、前年度と同率となっている。
これに企業会計や一部事務組合、広域連合、第3セクターなどを加えた連結ベースでの総資産は6281億5800万円(同222万円)、純資産は3010億8400万円(同106万円)。市財政課は純資産の増加について「地方債を確実に償還しており、悪い方向には向かっていない」とする。
行政コストは1098億500万円で、前年度から74億円(7・2%)増加。社会保障給付などの「移転支出コスト」が全体の54%を占めており、「生活保護費や定額給付金の支給が増加の主な要因」(同課)としている。
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