餌付け自粛呼び掛け 大沼白鳥台セバット
update 2010/12/30 14:44
【七飯】全国で野鳥などの死がいから高病原性鳥インフルエンザが検出されたのを受け、道や関係機関は対策を強化している。渡島総合振興局は野鳥の死がいや異常を発見した際の連絡、相談窓口を設置しているほか、職員の巡視強化を図る。ハクチョウの越冬地、大沼国定公園の関係者も「全国的な問題を重く受け止め、餌づけなどを自粛していかなければならない。観光客らにも理解してもらいたい」と協力を呼び掛けている。
一連の問題で道は、農場の衛生管理の徹底や飼育する鳥の大量死などがあった場合の早期届け出を呼び掛け。同振興局は、11月11日に七飯町の町内会や観光機関などにチラシを配り、冷静な対応と協力を求めた。 ハクチョウの飛来地でも意識に変化が出ている。大沼国定公園の大沼と小沼の境界にある水鳥観察場所「白鳥台セバット」は、越冬時期になるとハクチョウへの餌やりで観光客が押し寄せる人気名所。年内はスロープ設置工事中で、年明けには開放される予定だが「餌の手渡しを自粛しなければ」と関係者。
道は従来から、生態系維持を目的に野生動物への餌づけを禁止とする。しかし、大沼・白鳥台セバットは、ワカサギ釣りと肩を並べる冬場観光の目玉だ。
同振興局保健環境部は「自然界の動物を守る上で餌づけ禁止は原則だが、地域振興としての役割も重視しなければならない。繊細な問題で、観光客を含め関係者一丸で柔軟に課題解決を探る必要がある」とする。
七飯大沼国際観光コンベンション協会は「長年続いた餌づけで鳥たちが集まり、観光客も楽しみにしている。今すぐに餌やりを止めるのではなく、徐々に量を少なくしていきたい」。七飯町からの依頼で白鳥台セバットに餌やりをする、自然公園財団大沼支部は「悩む問題。人の手から直接餌づけをせずに、我々が餌を置いた形でハクチョウやカモなどの姿を楽しんでもらえれば」と解決策を探る。
道によると、高病原性鳥インフルエンザウイルスは、鳥との濃密な接触などの特殊な場合以外、人に感染しないという。また、鳥の排泄物に触れた後には手洗いやうがいをし「過度に心配する必要はなく、冷静な行動をお願いしたい」としている。
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