10年の渡島管内生産高概数、漁獲額が最低水準
update 2010/12/29 10:31
渡島総合振興局は、2010年の渡島管内(八雲町熊石地区を除く)の漁業生産高の概数を発表した。魚価の低迷や、猛暑による水温上昇で回遊魚の漁獲が減ったことが影響し、金額は近年で最低水準に落ち込んだ。数量は前年比9%減の20万5000トン、金額は同6%減の407億円だった。
主要魚種別は、全体の4割を占めるホタテの漁獲量が同18%減の8万2200トン。道外の水揚げが落ち込んだため、1キロ当たりの単価は前年より25円増の156円で、金額は同1%減の128億5000万円にとどまった。同振興局水産課は「もとの水揚げ量が少なかった上、ザラボヤ付着が少なからず影響したが、単価は比較的良かった」という。
スルメイカは「今年も厳しい状況」(同課)で、数量が同16%減の2万4200トン。前年に続き不漁となったが、1キロ当たりの単価は同73円増の273円で、金額は同15%増の66億円だった。6月の解禁直後から水温の低い状況が続き、来遊数が少なかったことが響いたが秋以降、盛り返しているという。
サケの数量は同50%減の5300d、金額が同37%減の19億3000万円。秋の解禁直後に海の表面温度が高かったため、まとまった来遊がなかったのが大きく響いた。
スケトウダラは国が定める漁獲可能量(TAC)規制から、漁の調整をしていることが影響。数量は同11%減の4万400d、金額が同15%減の33億4000万円で「魚卵が熟す厳冬期の盛り返しに期待できる」(同課)という。
コンブは数量が同8%減の6100d、金額が同21%減の71億8000万円。養殖、天然ともに水揚げは平年並みを推移したが、単価が低迷した。マグロは数量で同16%減の310d、金額は同1%増の8億5000万円だった。松前、福島の漁は比較的良かったが戸井方面が振るわなかった。
同課は「全体で数量が減った中で、サケ以外は金額の極端な落ち込みがなかった。サケの不漁は、記録的な猛暑による水面温度上昇が影響したと思われるが、水温の低下とともに来遊も増えた。水揚げ減と魚価の低迷に歯止めがかからない限り、厳しい状況が続く」としている。
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