来年度予算 新函館−新青森880億円
update 2010/12/28 11:24
国土交通省の政務3役でつくる整備新幹線問題検討会議は27日、北海道新幹線の新青森―新函館間の来年度事業費を880億円とすることを決めた。本年度当初予算比からほぼ倍増となり、道や関係自治体は「2015年度末の開業に向けて弾みがつく」と評価する。一方、年度内の着工判断が先送りされた札幌延伸についても、未着工区間全体で本年度同様に留保分として計上され、いちるの望みをつなぐ形となった。
来年度の整備新幹線5路線の事業費は2950億円(同13.5%増)で概算要求通り。国土交通省によると、総事業費の内訳は国費が706億円で前年度と同額。地方負担分が983億円、既設新幹線の譲渡収入が1261億円となっている。
05年度に着工した新青森―新函館間は05年度30億円、06年度60億円、07年度100億円、08年度178億円、09年度487億円と推移。本年度は当初予算に加え、11月に42億円を補正している。来年度予算を加えた総配分額は2227億円となり、同省試算の総事業費(4700億円)の47.4%に達した。
事業費の大幅増額に、函館市の西尾正範市長は27日の定例会見で「15年度末の開業までには間に合わせるのでは。工事もかなり進むと思う」と述べるとともに、「これからの補正も考えられる。1年間でも前倒しできれば」と、早期開業への期待感を示した。
北斗市も「開業前の試運転期間を1年間とし、残る工期を実質4カ年と考えれば順当な予算付けをしてもらった」(新幹線対策課)と評価。新年度には戸切地川橋りょうほか工事(2229メートル)、桜岱高架橋工事(1853メートル)など、工期末を2013年春としている平野部の工区で工事が盛んに行われることになる。同課は「着工済みの工区に多く配分され、新工区にもまんべんなく予算が配分されることを期待している」とした。
新函館―札幌など未着工3区間については、新規着工が決定した場合に対応できるよう、「留保分」として10年度当初予算と同額の90億円を確保した。これに渡島総合振興局新幹線推進室は「札幌延伸に向けて、期待を高めながら注視していきたい」と話している。
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