観光客入り込み数 渡島4年ぶり増加

update 2010/12/28 11:23


 2010年度上期(4―9月)における、道南の観光客入り込み数などが27日、渡島、桧山でそれぞれ発表された。渡島は増加傾向で、桧山は減少傾向であることが分かった。

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 渡島総合振興局は、渡島管内観光客の入り込み数と訪日外国人宿泊客数を発表した。ともに速報値で、観光客の延べ人数は前年比3.9%増の642万9000人で4年ぶりに増加したが、現行方法で調査を始めた1997年以降では、前年に次ぐ2番目に少なかった。一方、訪日外国人宿泊客数は、同77.2%増の約9万人で大幅な伸びを記録した。

 同総合振興局商工労働観光課によると増加の要因として、前年の新型インフル流行の終息、全国的な景気の持ち直しに伴う旅行需要の回復などがみられたという。特に道外客は同8・5%増で、羽田、関西の空路と海外チャーター便の増加などが好材料となった。

 函館市は同8.4%増の311万7400人で、函館競馬場のリニューアル(6月)や箱館奉行所オープン(7月)などと新たな観光施設による開業効果が主な要因となった。

 八雲町も同17.5%増の36万9400人と好調で、道央自動車道・落部―八雲間の開通で八雲パーキングエリア開園効果などが後押しした。

 一方で、松前や福島、森、鹿部、長万部の5町が前年度を下回った。サクラの開花がゴールデンウイーク後に遅れたことが減少の一因とされ、松前町は同10.4%減の44万6600人だった。

 訪日外国人宿泊客数は、同77.2%増の9万87人と大幅に増加。台湾が4万5110人と最も多く、次いで韓国が2万495人、中国が6860人とアジアが全体の9割を占めた。好景気や新型インフルが落ち着いたことと、北海道ブームの継続、中国の訪日個人観光ビザの要件緩和などが個人旅行客の拡大に結び付いたとみている。(田中陽介)

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 【江差】桧山振興局は、2010年度上期(4―9月)の管内観光客入り込みの状況を発表した。客数は7町すべてで減少しており、前年同期比5.2%減の82万4100人で、06年度から続く観光客の減少傾向に歯止めが掛からない状況が続いた。

 内訳は、道内客67万7800人(前年同期比0.7%減)、道外客14万6300人(同21.7%減)。日帰り客72万8700人(同4.3%減)、宿泊客9万5400人(同11.2%減)だった。4月に江差町の江差山車会館がオープンするなど好材料もあったが、同振興局商工労働観光課は「長引く景気低迷、口蹄疫発生の影響、夏季の猛暑や天候不順で入り込み客数が減少した」と分析している。

 管内の入り込み客は、05年度上期に前年同期比2.2%の増加を記録して以降、06年度10.3%減、07年度4.3%減、08年度11.2%減、09年度1.6%減と低迷。合併した旧熊石町が調査対象から外れた06年度上期の客数は104万100人で、実人数の比較では、5年間で21万6000人もの減少となった。

  町別では、江差町33万8800人(同4.2%減)、上ノ国町5万9800人(同7.9%減)、厚沢部町8万6700人(同2%減)、乙部町9万6100人(同9.2%減)、奥尻町2万8400人(同11.5%減)、今金町2万6600人(同15.8%減)、せたな町18万7700人(同2.5%減)だった。

 上ノ国町と乙部町は、燃油価格の上昇で、車を使う道の駅の利用客が減少。厚沢部町はイベントや道の駅の客数は増加したが、景気低迷による観光客の出控えが目立った。

 奥尻町は、フェリーの運賃助成など集客対策を講じたが減少傾向が変わらず、せたな町も、奥尻―瀬棚間のフェリー減便が響いた。今金町は7月の豪雨災害による観光施設への被害のほか、口蹄疫の拡大防止に伴うイベントの自粛や縮小により客足が鈍った。

提供 - 函館新聞社


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