七飯町酪農組合、排水浄化装置を導入

update 2010/12/25 14:11


 【七飯】七飯町酪農組合(小森久司組合長、組合員数28)は道や町の補助を受け、組合員9戸に搾乳関連排水浄化施設を導入した。搾乳後の洗浄排水から、乳脂肪分などの成分を分離する装置で、来年度以降も、一定規模の組合員農家で順次整備を進める。酪農が盛んな大沼地域において、農業排水に含まれる環境負荷を大幅に減らし、湖水の環境保全や水質改善につなげたい考えだ。

 近年、アオコが大量発生するなど、大沼の水質汚染が深刻な状態となる中で、町は2008年9月に「大沼地域活性化ビジョン」を策定。搾乳関連排水の処理を重点施策として盛り込んだ。

 浄化装置は、鉄道の廃コンテナに収まるサイズで、高さ1・2メートル、幅2・5メートルほど。地下に設置した貯水タンクに一定量の排水がたまると自動的にくみ上げて、排水に含まれる乳脂肪分などを薬剤(凝集剤)で凝固させ、固形物と水質基準を満たした液体に分離する。排水に廃棄乳が混入しても処理が可能という。

 処理能力は1時間当たり500リットルで、乳牛100頭を飼育し、搾乳機の洗浄などで1日当たり約2トンの排水が出る小森組合長(60)の「小森牧場」(町軍川)では、この浄化施設で固形物が約20キロほど出来上がるという。固形物はたい肥化して、牧草地などで利用する。

 小森組合長は「乳価が下がる中で、凝集剤のコストや施設の維持管理経費は厳しい負担とはなるが、組合一丸で環境に配慮した取り組みを続けたい」としている。

 総事業費は約3816万円で、道が約48%、町が約27%を助成した。新年度は大沼地区のほか、仁山や藤城地区の酪農農家11戸に導入を予定している。

提供 - 函館新聞社


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