市電に乗ろうよ、柏野小3年生が利用促進PR
update 2010/12/22 12:34
もっと市電に乗って―。函館柏野小(伊勢昭校長、児童358人)の3年生60人が21日、函館市本町交差点で函館市電の利用を呼びかける街頭啓発を行った。授業で校区内を走る路面電車について学ぶうち、利用客が年々減少傾向にあることに気付いた子どもたち。身近な魅力を多くの人に知ってもらおうと、自ら考え、感じ、立ち上がった。
「時間に正確で、エコな市電にいっぱい乗ってください」。21日午前、市内本町の五稜郭公園前電停周辺に子どもたちの大きな声が響いた。用意したのは市電の魅力を伝える手作りのチラシと大判のポスター。通りかかった買い物客らに手渡し、利用促進を訴えた。
総合的な学習の一環で、児童らは4月から、地域の魅力を掘り起こす活動に乗り出した。目を付けたのは校区を駆ける「函館市電」。車庫を見学したり、運転士や整備士に話を聞いたり。何度も取材≠重ね、市電の長い歴史や二酸化炭素の排出量が少ない魅力を再発見した。
子どもたちは市電の良さに気付く一方、乗車人員が年々減っている現状にも直面した。市交通局によると、昨年度の利用客は1日当たり約1万6000人。人口の郊外流出や、マイカーの普及、少子化などの波に押され、ピーク時の1960年代に比べて8分の1近くまで落ち込んだ。
「こんなにいい乗り物なのに…」(永井絵梨奈さん)、「このままではなくなってしまう」(三上慎太郎君)。危機感を持った児童らは授業で学んだ成果を紙にまとめ、街頭で声を上げた。最後には同小OBの作曲家、故廣瀬量平氏が作曲した「はこだて賛歌」の替え歌で「市電に乗ろうよ」と合唱した。
大原大君(9)は「市電に元気を与えるつもりが、逆に街の人から元気をもらった。函館の宝物の市電を何百年と残したい」と目を輝かせた。市交通局は「本当にうれしく、ありがたい話。現状は厳しいが、子どもたちのような市電ファン、良き理解者が増えてほしい」と話した。
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