未来大に医学部設置「理にかなう」、懇話会が報告書
update 2010/12/21 11:31
【東京】函館市が公立はこだて未来大学への医学部設置を模索していることに関し、医学部設置検討懇話会(会長・今井浩三東大医科学研究所附属病院長、委員10人)は20日、西尾正範市長に報告書を提出した。7、10月に行った審議内容を踏まえ、設置の意義について「道央から約250キロ以上離れている函館市に作ることは理にかなっている」とし、医療都市としての発展が見込めるとしている。
同日、西尾市長が東京の東大医科学研究所を訪れ、今井会長から提出を受けた。
報告書では、国の動向や医師不足への対応策、設置する場合に持つべき機能や特色について議論した経過を踏まえ、「道内の既存3医大がカバーする、医療過疎地域に勤務する医師の負担軽減につながる。特に渡島・桧山の地域医療充実に寄与できる」と設置の意義を強調。
未来大と市立病院、市内医療機関の有効活用でコストを抑えて新設することも「道南にとって有益で、可能性がある」とし、空港の近さや5年後に北海道新幹線開業を控える点から、医療都市としての発展に加え「温泉を活用し、福祉とつながる観光のまちとして、単に医学部ができるのとは異なる活性化が期待できる」ととらえている。
持つべき機能や特色、設置への課題として、患者中心の全人的医療に向けた人材養成を中心に挙げたほか、教養教育の充実とともに臨床実習を強化するよう提言。また、教員確保策については「既存大学からの流出で地域医療を担う医師を再配置しなくてはならず、地域の医師不足が危惧される」とし、国際的な視野での確保を求めた。
初期投資で77億円、年間13―22億円(市試算)とされる財政負担については、市立病院が附属病院としての機能を果たすことで軽減できるとし、学生定員を1学年60人か80人とするかに関しては「負担が少なければ80人を選ぶ方法もある」と提言している。
市は報告書に加え、早ければ年内にも示される民間シンクタンクからの調査報告書、さらに国が22日に設置する「医学部入学定員の在り方に関する検討会」などの議論内容を踏まえ、調査を深める方針。市計画調整課は「前向きに検討する要素がある。設置する場合に教育理念や目標を考える上で、参考にしたい」と話している。
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