函館市、来年度から生活保護費抑制へ就労喚起プログラム開始

update 2010/12/17 12:36


函館市議会の民生常任委員会(斉藤佐知子委員長)が16日開かれた。本年度の生活保護費で約12億円の増額補正を行い、過去最高の総額205億312万円となる事態を受け、市福祉部は保護費の抑制に向け、来年度から、働く能力がありながら保護を受けている受給者を対象に、就労意欲喚起プログラムを開始する考えを示した。

 市福祉部によると、同プログラムは生活保護受給者の中から就労が可能な人を対象とし、ボランティア活動などを通じた社会経験を積み、社会に出る自信を深めてもらう。就業意欲を高めた人に対しては、従来、市が行っている就労支援プログラムへと移行。仕事に就くことを目指し、継続してサポートを行う。

 阿部善一氏(民主・市民ネット)は「就労への意欲を見せない受給者に対する自立支援プログラムの導入予定はあるのか、また、いつ頃から始めるのか」と質問。川越英雄福祉部長は「受給者の中から稼働能力がある人を対象として導入したい。就労、保護の廃止へとつなげる取り組みとして来年度からの実施を検討している」と同プログラム実施の姿勢を見せた。

 また、保護費の25%を市の一般財源から投入していることに関し、阿部氏は「受給者の高齢化から保護費が増え、市の負担は増える一方では。不正受給者のチェック体制は」とただした。斎藤利雄生活支援第1課長は「申請を受理したうえで財産の有無を調査し、保護を決定している」と答えた。また生活保護廃止については「昨年で800件の廃止があり、1番多い理由は死亡による213件。労働による収入増加は59件」などと説明した。

 来年1月1日から始まる子宮頸(けい)がん、ヒブ、小児用肺炎球菌ワクチンの全額助成について小谷野千代子氏(公明党)は、周知方法を質問。佐藤幸正保健所健康づくり推進室長は「対象者への通知や、医療機関や学校などに呼び掛けて周知に努めたい」と答えた。

提供 - 函館新聞社


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