大野農業高 豚肉、高い格付け評価 30年ぶり復活の中小家畜実習

update 2010/12/11 16:35


 【北斗】大野農業高校(北沢住人校長)農業科の生徒が飼育した豚肉が日本食肉格付協会から高い格付け評価を受けた。昨年、30年ぶりに中小家畜実習を再開し、今年度からは同校内で作られた農作物の規格外品などを餌として与える「省資源循環型リサイクル飼料」の研究プロジェクトをスタートさせた。実習復活2年目で大きな成果が出たことに農業科中小家畜機械班の生徒や教諭らは「良質な豚を作ることができ、循環型の有効性の証明になる」と喜んでいる。

 同校では飼育農家の減少とともに実習を希望する生徒が減少したことから、中小家畜実習を中止していた。しかし、農業法人や畜産加工会社から即戦力を求める声が増えたことをきっかけに、実習を復活。現在は、生徒17人が豚や鶏、羊の飼育に取り組んでいる。

 今年春からは、生徒が給餌などすべての世話をしながら4頭の豚を約6カ月間かけて飼育。餌は、ほかの科の生徒が作ったリンゴやカボチャなどの規格外品のほか、くず米やジュース粕などの残さ物を利用し、配合飼料を減らした。校内から安定的に餌の確保ができるため、飼料費を大幅に抑えることに成功した。

 また、一般的には行わない「放豚」を取り入れ、豚のストレス解消を図った。結果、病気に強く、身が引き締まった豚に成長し、うまみと甘みのあるジューシーな肉質に仕上がった。

 10月に2頭を出荷し、同協会に調査を依頼すると、「放豚」を行った豚が、5段階評価で最高クラスの「極上」に次ぐ「上」を獲得。「『極上』の肉と遜色がない」とのお墨付きももらった。もう1種類は「中」の格付けだった。同班の3年生、高橋正樹君と横井ほのかさんは「豚舎はすぐ汚れるので、毎日清掃するのが大変だった」と苦労を振り返りながらも、高評価に喜びを隠さない。

 指導する竹永拓正教諭は「生徒たちの日々の管理が実を結んだ。循環型普及のため、今後、企業との連携も視野に入れ取り組んでいきたい」と話している。同班の取り組みは、校内の実績発表大会で最優秀を受賞。来年1月19日に酪農学園大学(江別市)で開かれる南北海道学校農業クラブ連盟実績発表で披露する。

提供 - 函館新聞社


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