道内最古の寺院建築・上國寺本堂の修復体験
update 2010/12/6 10:46
【上ノ国】本格的な解体修理が行われている、道内最古の寺院建築・上國寺本堂(重要文化財)で5日、町内の児童が創建当初の「柾(まさ)ぶき」の屋根を復活させる修復作業を体験した。岡山県から平成の大修理≠ノ参加している屋根職人の手ほどきを受けながら、完成時の姿に思いをはせている様子だった。
町内の児童12人が参加。ヘルメットを身に着け、巨大な屋根の回りに足場が組まれた修復作業の現場に入り、屋根の修復を担当する、児島工務店(岡山市北区)の永原光敬さん、沼澤修一さん、包國眞匠さんの指導を受けて、3ミリほどの厚さがある青森ヒバを加工した柾を昔ながらの竹クギで打ち付けた。職人が口にくわえた竹クギを素手で柾に差し込み、金づちで手早く打ち込む様子に子供たちは驚きの声を上げ、作業体験の記念としてプレゼントされた竹クギを大切そうに持ち帰った。
取り付けた柾は30年ほどでふき替えが必要になる。この日は、直径約50aもある丸太から、手作業で柾をきれいに削り出す作業も体験。専用のナタや工具を使い職人技の世界を学んだ。修復に使われる柾の裏面には、思い思いのイラストとともに名前や住所を書き込んでいた。上ノ国小学校6年の川島大和君は「竹クギを打つのはとても難しかったけど楽しかった。将来子供が生まれたら同じ作業をさせてみたい」と笑顔で話した。
本道には柾ぶきの屋根を修復する技術を持つ民間業者はおらず、同工務店は、道央に残される屯田兵の住居や、数多くの歴史的建造物を集めた北海道開拓の村(札幌市厚別区)での修復作業のため本道を訪れることが多いという。
上國寺は永禄年間(1558―1570年)の創建とされ。現在の本堂は1758年に建立されたという。建物の損傷が進んだため2008年12月から全面的な解体修理を進めている。解体前には鉄板張りだった屋根も柾ぶきの屋根に戻すなど創建当初の姿に復元する計画だ。
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