イルミナシオン映画祭開幕

update 2010/12/4 15:34


 「第16回函館港イルミナシオン映画祭」(実行委主催)が3日、函館市末広町の金森ホールで開幕した。この日は悪天候のため、函館山山頂クレモナホールの上映を取りやめ、すべて金森ホールで上映された。

 今年のオープニング作品は「BOX袴田事件 命とは」。1966年に静岡県で発生した強盗殺人事件「袴田事件」に迫った映画で、上映後には同映画の高橋伴明監督が登場。高橋監督は「事件を知ったのは17才の時。以来、人が人を裁くということの難しさについて考えてきた」と語った。来場者から「私たちが今できることは」と尋ねられた高橋監督は「冤罪(えんざい)を訴え、再審請求がされている。今後も行方を見つめ、裁くことや冤罪について自らの考えを持つことが大切」と話した。函館市の50代の主婦は「実際の事件を描いた作品なので、興味があり訪れた。司法の難しいテーマだったが裁判員制度について改めて考えさせられた」と真剣な面持ちだった。

 上映後は開会式としてシナリオ大賞の表彰式が行われた。グランプリの函館市長賞は渡邊由香さん、準グランプリは中村公彦さん、審査員奨励賞は澤田サンダーさんが選ばれ、表彰を受けた。渡邊さんには賞金の300万円が贈呈されたほか、3人全員に箱入りの鮭が贈られた。これには受賞作が今後映像化され、函館に帰って@るようにと願掛けの意味が込められている。すでに映画化が決定している渡邊さんは「自分が伝えたいと思っていることが映像化されることを心からうれしく思う」とにこやかにあいさつした。

 その後、オープニングパーティーでは同映画祭のあがた森魚プロデューサーのミニコンサートなどが行われ、開幕の喜びと最終までの成功を祈って楽しいひと時を過ごした。

 同映画祭は4、5日市内3カ所で開催する。

提供 - 函館新聞社


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