道産牛乳の輸出急増
update 2010/11/29 13:30
国内産牛乳のアジアへの輸出が2008年から急増している。中でも函館税関管内が扱う北海道産牛乳が全国の70%以上のシェアを占めている。現在輸出をしているのは道央の大手が中心で、道南地域からはほとんど行われていない。しかし国内での牛乳消費が伸び悩む中、道南の各メーカーでは、市場開拓の可能性を積極的に探っていきたいとしている。
国内からの牛乳の輸出は、2000年から2005年までは年間120トンから200トン前後で推移。この期間中、北海道から直接の輸出はなく、北海道産の牛乳が東京などから輸出される状況だった。06年にはコンテナ船を使った北海道(函館税関)からの輸出がようやく始まったが、06年に約1d、07年に約9トンで、ごくわずかだった。
ところが08年に中国産の牛乳に毒性の強いメラミンが混入される事件が発生。これを受けて中国産の牛乳を禁輸した香港が、日本からの本格輸入を開始したことから、08年の国内全体の輸出量は860トン(北海道分338トン)、09年は2139トン(同1550トン)、10年は9月までに1937トン(同1452トン)と大幅に拡大。10年(1―9月)の函館税関管内からの牛乳の輸出量は全国の75%を占めていて、貿易相手国の数量別構成比は香港が98.7%、中国が1.3%となっている。
このように北海道産牛乳の消費マーケットとして今後も期待が高まるアジア地域だが、道南地域の乳製品メーカーではまだ本格的な輸出を行っていない。
「北海道乳業」(函館市昭和36)では、輸出に適した長期保存が可能なLL(ロングライフ)牛乳の製造ラインが整っていないことから「生乳の輸出は現時点では考えていない」とする。ただ、加工品などを含めて「輸出の可能性について現在調査を行っているところ」と話す。
函館牛乳ブランドで知られる「函館酪農公社」(函館市中野町118)ではヨーグルト製品のごく一部を香港で販売しているが、こちらも現時点では本格的に輸出に踏み切る予定はない。ただ同社では、紙パック充てん機の入れ替えによって牛乳の賞味期限がこれまでの8日間から12日間に延長されたことから、船便での輸出にも対応が可能な状態。「香港では北海道製品のブランドイメージが高まっていると聞いている。可能性があれば条件に応じて牛乳の輸出に挑戦することもありうる」と話している。
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