世界一のキムチ目指す! 日韓の産学官連携事業が始動
update 2010/11/26 10:31
【乙部】日韓両国の産学官が連携して道内産の農水産物を活用したキムチ生産を目指す国際プロジェクトの一環で25日、乙部町商工会(三上岩雄会長)が招いた本場・韓国の大手キムチ業者が乙部入りした。町内産のスケトウダラやユリ根などの食材を生かしたキムチの試作が本格的にスタートした。
ソウル市の大手キムチメーカー・百年土種参鶏湯の朴良美社長ら3人が25日、本場の韓国野菜や唐辛子などの調味料を携え、町内の食品会社・はまなすフーズを訪問。朴社長は自らキムチ漬けの腕を振るい、女性従業員に本場のノウハウを伝授した。
韓国産と道内産の唐辛子を地場産の白菜などに練り込み、町内産のスケトウダラを原料とする辛子めんたいこや特産のユリ根なども漬け込んだ。また、早朝からの漁を終えて乙部漁港に帰港した漁船から荷揚げしたばかりのスケトウも食材として活用。朴社長は「スケトウは韓国で人気があるがとても高価だ。こんなに新鮮なスケトウは手に入らない。水揚げ直後のスケトウを使えば、本場の韓国にもない超高級なキムチができる」とし、乙部産キムチの高付加価値化にも強い期待を示した。
同商工会は、白菜、長芋、大根などの地場産野菜を活用したキムチ生産を検討している。三上会長は「乙部は韓国と気候が似ておりキムチ生産に最適だ。キムチを新しい特産品に育てたい。雇用確保や農漁業者への波及効果も大きい」と意気込みをみせた。
関税の原則撤廃を目指す環太平洋連携協定(TPP)をめぐり、道内では農漁業者を中心に懸念が高まっているが、三上会長は「スケトウなどの地場産食材の付加価値を生かせば新たな国際競争力が得られる。日本一の品質を誇る乙部のスケトウやタラコを活用すれば世界一≠フキムチを作ることも夢ではない」とし、TPP参加を前向きにとらえ、地場産業の活性化など新たな展開にチャレンジすべきと力を込める。
国際プロジェクトは、馬渕悟・道東海大教授が代表を務める「北海道MDブランド研究会」を中心に、道内の市町村、農漁協、物流、小売、漬物などの食品加工に関連する企業などが参画。本道との経済交流に強い意欲を示す韓国政府もプロジェクトを全面的に支援する方針を示している。
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