イグ・ノーベル賞受賞記念、未来大の中垣教授が講演

update 2010/11/23 15:06


 公立はこだて未来大学教授の中垣俊之さんが、ユーモアあふれる科学研究などに贈られる「イグ・ノーベル賞」を受賞した記念講演会が22日、遺愛女子中学・高校で開催された。「単細胞に学ぶ生命知のからくり」と題して、同賞を受賞した粘菌についての研究内容を紹介。同大学長の中島秀之さんと「単細胞×人工知能、どっちがエラい!?」のテーマで語り合った。

 中垣さんは、アメーバ状の単細胞生物の粘菌が、餌を得るために効率的なネットワークを形成することを発見。人間が鉄道網などを設計する際に粘菌の“知恵”が役立つとする研究内容が評価され、国内外の9人でつくる研究チームが同賞の「交通輸送計画賞」を共同受賞した。

 賞を受け取る決断をした経緯について中垣さんは「素朴な好奇心や発見の喜びを思い出してみようという雰囲気があり、いただくことにした」と振り返り、賞金がないことから「お金の汚れがないことが気に入っている」と述べた。

 粘菌が効率よく餌を得るため、迷路の行き止まりから撤退するなどの工夫をする状況については、「体がつながっている状態を保つなど、ある種のジレンマに対応した。粘菌は賢いと言っていい」と評価した。

提供 - 函館新聞社


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