垣ノ島遺跡、国の史跡指定へ

update 2010/11/20 12:42


文化審議会(西原鈴子会長)は19日、函館市南茅部地区にある垣ノ島遺跡(臼尻町)を新たに国の史跡に指定するよう文部科学相に答申した。来年2月下旬に正式に指定される見通し。同遺跡は縄文時代の集落跡が現存する全国でも貴重な史跡で、北海道と青森、秋田、岩手の4道県15遺跡で構成される「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産への登録にも大きな弾みとなりそうだ。

 今回、史跡に新規指定するよう答申されたのは「富士山」(山梨県、静岡県など)など11件。函館市内の史跡指定は四稜郭(陣川町)、志苔館跡(志海苔町、赤坂町)、大船遺跡(大船町)に次いで4件目になる。

 垣ノ島遺跡は、縄文時代早期前半(約9000年前)から後期後半(約4000年前)までの約5000年の長期にわたり、集落が途切れることなく存在していた形跡が残るのが特長。集落の規模も南北に500b、東西に200bの約1万平方bに上り、国内有数の大きさを誇る。

 遺跡内には当時のごみ捨て場として使われ、全国でも珍しい「コ」の字型の盛土遺構(盛り土の建造物跡)も。駒ヶ岳が噴火した約5800年前と縄文後期後半には生活していた痕跡が一時消えるなど、北日本の縄文文化を知る上で重要な位置付けとなっている。

 市教委文化財課は同遺跡が長期間にわたり拠点集落として存在した理由を「海と山が近接し、海産資源や山の幸が豊富で食べ物に困らず、水の便も良かったためでは」と分析。盛土遺構については「遺構には当時使われていた土器が埋め込まれていて、物に宿る霊を鎮めようという祭祀(さいし)儀礼的要素もある」と話す。

 西尾正範函館市長は「市の縄文遺跡の重要性が認められたのは大変意義深く、縄文文化を活用した魅力的な地域づくりを推進していきたい」とコメント。市教委は縄文遺跡を保存・活用した生涯学習の推進や観光振興を進めたい考えで、「来年完成予定の縄文文化交流センター、史跡公園大船遺跡などに観光客の誘客につなげたい」としている。

提供 - 函館新聞社


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