「海炭市叙景」完成試写会に900人
update 2010/11/19 10:04
函館出身の作家、佐藤泰志(1949―90年)の小説を函館市民の手で映画化した「海炭市叙景」の完成披露試写会が18日、市芸術ホールで開かれた。同映画製作実行委員会の菅原和博委員長、熊切和嘉監督、俳優の小林薫さん、谷村美月さんの4人の舞台あいさつも行われ、熊切監督は「函館の皆さんから、あり得ないぐらいご支援を頂いたおかげで完成できた。あとは見てもらうだけです」と礼を述べた。
この日の試写会は、映画製作に対する募金や協賛、キャスト出演などで協力した人が招かれ、昼夜の2回上映で計900人が来場した。
舞台あいさつ前に行われた記者会見で熊切監督は「佐藤さんのまなざしを共感できる映画となった。ご覧いただき、それぞれの登場人物に思いをはせてほしい」と作品への思いを語った。小林さんは「一般の人が映画製作に携わる機会はまれ。この映画に対し、多大な尽力をした函館の人にとって、良い時間となったと思う」。谷村さんは「これほど演じることに集中できた環境は、これまでになかった」とロケに協力した市民らにメッセージを語った。
舞台あいさつでは菅原委員長が「皆さんの協力のおかげでこの日を迎えられた。今日は第1の完成で、映画は見てもらうことで初めて生まれ育つ」と謝辞。南さんは「映画を見たら優しい気持ちで家に帰れるので、余韻を楽しんで」と呼び掛け、小林さんも「東京で映画人の間では名作と評判がある。さらに函館での好評が東京まで届くように応援してほしい」と上映後の来場を呼び掛けていた。
上演後は会場から拍手が沸き起こり、教師役で出演した八雲町の自営業、佐藤之信さん(55)は「出演者すべての存在感、函館の生活感、人のいとおしさの全てが描かれている。函館の人は皆、共感できると思うので見てほしい」と話していた。
同映画の先行上映は27日から、市内本町22のシネマアイリスで開かれる。
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