新青森―八戸間の新幹線試乗会、函館開業へ期待高まる

update 2010/11/19 10:04


 来月4日に控える東北新幹線の新青森駅開業。JR北海道が17日に開いた新青森―八戸間の新幹線試乗会には道南の自治体や経済界からも67人が参加した。新幹線のスピードや利便性によって本道と本州がより近くなる≠アとを体感。現実味を増す5年後の北海道新幹線新函館駅(仮称)開業をにらみ、道南の関係者にも期待が高まっている。

 試乗したE2系の「はやて」は現在の東北新幹線の主力車両。最速で函館からは東京まで5時間44分、仙台まで4時間1分、盛岡まで3時間11分で結び、平均で20分ほど短縮される。JR北海道では、新青森駅の開業効果で函館―青森間の在来線の年間利用者は開業前に比べて6%(6万6000人)増を見込んでいる。

 「速さもさることながら、滑るように走る感覚で安定していた。振動がほとんどなく、特急では難しかった車中で資料にまっすぐマーカーを引くこともできる」。学生時代以来約30年ぶりに新幹線に乗った函館市企画管理課の川手直樹課長は、函館に迫る新幹線時代を実感した。

 一方、新青森駅前周辺は施設や商店がほとんどなく、区画整理された更地の状態が目立った。試乗会に参加した同課の川瀬真喜子主事も「駅舎が立派なだけに駅前は少し寂しい気がした。5年後の新函館の姿を思い浮かべ、メリット、デメリットを両方検討しなければ」と気を引き締める。

 試乗会で八戸駅の西野重俊駅長は「新青森開業で北海道は近くなる。八戸から北海道に行く人が増え、北海道から八戸にもたくさん来てほしい」と交流人口の拡大に期待を示した。青森県観光連盟の九戸真樹専務理事も「開業で青森の独り勝ちではなく、青函エリアとして一緒に連携しなければ」。

 現地を視察した函館商工会議所の桜井健治常務理事も「実際に乗ると長年の夢が現実のものとして感じられた。青函がタッグを組んでお互いの魅力を相乗的に高める工夫が今から必要」と話す。新青森駅開業まで残り2週間余り。新青森開業が函館への誘客にも起爆剤となるか。今後の青函連携にかかっている。

提供 - 函館新聞社


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