「タナカ技研」が道南初のエピテーゼ製作
update 2010/11/18 12:07
函館市弁天町1の歯科技工所「タナカ技研」(田中雅典代表)はこのほど、身体の欠損した部分を人工物で補うエピテーゼの製作を始めた。エピテーゼの普及を進める日本パラメディカル協会(東京)によると、歯科技工士としてエピテーゼを扱うのは函館、道南地域では初めて。田中代表(46)は「事故や病気で体の一部分を失い、精神的に病んでいる人の力になれれば」と話している。
田中代表は1985年に歯科技工士の国家資格を取得後、木古内町の歯科技工所に就職。函館市内の歯科診療所での勤務を経て99年に独立開業した。
5年ほど前、乳がんの手術で乳房を切除した知人女性から「失った乳房を作れないか」と相談を受けたことをきっかけにエピテーゼに関心を持つようになった。今年5月に札幌市で開かれた同協会の講習会を受講し、ノウハウを体得した。
エピテーゼは耳や指、乳房などシリコーン(ケイ素樹脂)で本物そっくりに製作した装具。患者の生活の質(QOL)の向上を目指して実用化が図られているが、十分に普及が進んでいない。医療保険の適用外であり、医療機関との連携など課題はあるが、同協会は「道内では北大病院(札幌)の整体技工部が形成外科と連携しながらエピテーゼ製作を実践している例がある。製作者の養成を進め、エピテーゼの普及につなげていきたい」とする。
田中代表は「エピテーゼは完全に治すことはかなわなくても、他人の目を気にしないで明るく前向きに生活する力になるはず。悩んでいる人は相談してほしい」と呼び掛けている。
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