函館中央病院 電子カルテシステムに完全移行
update 2010/11/17 10:22
函館中央病院(函館市本町33、橋本友幸院長)はこのほど、電子カルテシステムに完全移行した。これによって数年前から取り組んできた診療に関するさまざまな情報の一元化が図られ、全科の情報共有が可能となった。
同病院は2005年から、コンピューターを利用して診察内容を各部門に伝達する「オーダリングシステム」を導入。昨年7月には院内に電子カルテ推進委員会(委員長・藤田信行副院長)を立ち上げ、カルテの電子化に向けてシステムの構築を図ってきた。6月下旬から入院患者に対するカルテの電子化を先行実施し、10月31日からは外来患者に対しても開始した。情報の漏えいなど危機管理も図り、使用履歴の記録化やUSBメモリーなど別の媒体に診療情報を記録できないようにしている。
函館市内では、一部の病院や診療所で電子カルテに移行しているものの、初期投資がかかるなどの理由で移行になかなか踏み切れないのが実情。
紙のデータを電子化にする際、取り込み作業に手間がかかるなど課題はあるが、情報が共有されることによって医療の質の向上や診療録の紛失防止、地域医療との連携などのメリットが期待される。
藤田副院長は「診療情報がオープンになるので医師の緊張感が保て、医療の標準化にもつながる。今の若手の医師は赴任先の病院の選択に電子カルテの運用を判断材料にしていて、医師獲得の切り札にもなる」と話す。今後は連携を結ぶ他の病院や診療所との情報共有化も進めていく。
同病院はクリニカルインジケーター(臨床指標)を公表していく考えで、現在、実施に向け検討を進めている。
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