未来大の中垣教授に市長賞 イグ・ノーベル賞受賞で
update 2010/11/16 10:23
今年9月、ユーモアにあふれる科学研究などに贈られる今年の「イグ・ノーベル賞」を公立はこだて未来大の中垣俊之教授(47)が受賞したことを受け、函館市の西尾正範市長は15日、その功績をたたえる市長賞を贈った。中垣教授は「市民にとって科学が身近なものになればうれしい」と喜びを語った。
中垣教授は、アメーバ状の単細胞生物の粘菌が餌を得るために効率的なネットワークを形成することを発見。人間が鉄道網などを設計する際に粘菌の知恵≠ェ役立つとする研究内容が評価され、国内外の仲間9人の研究チームが同賞の「交通輸送計画賞」を共同受賞した。
中垣教授らは2008年にも粘菌が迷路を解くのに最短距離を導き出す研究で同賞の「認知科学賞」を受賞している。今年4月に未来大に赴任した中垣教授は「冗談みたいな話だが、至って真面目な研究。粘菌の問題解決の仕方から人間が学ぶ余地も多く、新しい発見が社会に役立てば」と話した。
今後は粘菌の行動原理を海洋生物にも生かす研究を目指すとし、「人間の知能と自然の知能が未来大で出合い、新たな情報処理などに活用できれば」と抱負を語った。西尾市長は「市民が科学に目を向ける明るい話題で、世界に向けて未来大の宣伝にもなる。この研究がいろいろとつながり、函館の水産海洋研究にも生かしてほしい」と期待した。
イグ・ノーベル賞は1991年、米国のユーモア科学誌編集長だったマーク・エイブラハムズ氏が創設。本家の「ノーベル」と「イグノーブル(不名誉な、価値のない)」をもじった賞だが、学術価値のある研究が大半で、論文が欧米の一流科学誌に掲載されたものも多い。「人を笑わせ、そして考えさせた」ことが選考基準となっている。
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。